前回と同様、多彩な文章が掲載されているが、今回は意図的に排除されていた小説が3篇加わり、内容の幅が広がった。7セクション立てで各セクション3つずつ、計21の文章を掲載している。現代のゴシック小説家パトリック・マグラーの短篇小説に始まり、ブリューゲルの絵画、大航海時代の世界地図作成、量子論、睡眠の科学、人類の起源、歯ブラシの考古学、人格パッケージ論、コンピュータ教育論、近親婚論などなど、バラエティに富んだ話題が満載されている。
また、前作との大きな違いは、本の大きさが、週刊誌大のB5判からひと回りコンパクトなA5判変型に変わったこと。ペーパーバック感覚に近くなり、電車の中でも気軽に読むことができる。カラーの口絵が加わるとともに、本文中にも写真が挿入され、より親しみやすく、手に取りやすいものとなった。前作とセットでそろえ、英語の世界を堪能してみてはいかが。(清水英孝)