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大前研一「新・資本論」―見えない経済大陸へ挑む

価格: ¥2,160
カテゴリ: 単行本
ブランド: 東洋経済新報社
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   本書は、アメリカとイギリスでベストセラーとなった『The Invisible Continent』の邦訳である。著者は、イギリスのエコノミスト誌で5人の「現代社会のグル」に選ばれた大前研一。『企業参謀』をはじめ、数々の名著を生みだしてきた著者だが、その鋭い分析と時代を見抜く目は、本書でも健在である。

   本書で言う「Invisible Continent(見えない大陸)」とは、現在大変革が繰り広げられている、ボーダレスで実体のないビジネスの舞台である。かつてイギリス人にとっての新天地、アメリカがそうであったように、新大陸は移住者に大いなる変革とチャンスをもたらす。現に、21世紀の「新天地」でも、すでにマイクロソフトやシスコ、AOLといった移住者たちが大成功を収めている。本書の意義は、その性格を明らかにし、そこで成功を収めるための戦略とヒントを示している点にある。

   まず第1章では、「Invisible Continent」を4つの構成要素に分けて説明している。それは、「実体経済の空間」「ボーダレス経済の空間」「サイバー経済の空間」「マルチプル経済の空間」の4つであり、互いに影響しあっているこれらの空間をうまく活用することが、新大陸における成功のカギを握っている。第2章、第3章では、この新大陸で富が生まれるしくみを解説。「プラットフォーム」と「アービトラージ」の意味を正しく理解し、活用することによって、チャンスをつかんだり、リスクを回避したりすることが可能になる、という点に注目したい。第4章では、「目覚めよ 企業参謀」と称して、この新大陸で成功するための戦略のヒントを提示。第5章~第7章では、国家や世界経済の問題を国ごとに解説している。そして、第8章では、国家や企業、個人がとるべき対策を提案し、教育問題にまで言及している。

   ネットバブル期に書かれた本であり、情報は若干古いものの、その分析と洞察には目を見張るものがある。とりわけ本書で述べられる新大陸のルールを理解しておくことは、企業にとっても個人にとってもきわめて重要であるといえるだろう。(土井英司)