他に読む本があると思う
★☆☆☆☆
山を好きでもなんでもない人が書いた本・・・というと厳しすぎかな。
スポーツライターが「いっちょ野球以外にも手を出してみるか」と、お気軽に
手をつけた紹介本という感じ。
ネタ本が手軽に手に入るとか日本語で読めたりするのも致命的というか。
まあまあ、面白い。
★★★☆☆
すでに他のレビューアーが指摘しているとおり、最近の若者の生き方を独善的に否定しているし、また、突然、文章が口語調になることから、読みにくいのも事実です。
内容については、紹介されている人たちの生き方が鮮烈であるため、面白く読めます。
一読する価値はあるようにも思います。
過去形のタイトルが語るもの。
★★★★☆
加藤保男、森田勝、長谷川恒男等を描いたノンフィクションの佳作。
著者は彼らを「先鋭的アルピニスト」と賞賛する。
都会を離れ、孤独を突き詰め、山に登る。
夏から冬へ、酸素から無酸素へ、チームから単独へ。
より厳しい条件で、より高い山を目指す。
その生き方は、鮮やかで潔いのかも知れない。
一方、「死んでも登りたい」というのは、一種の名誉欲ではないのか。
そして彼らは山で亡くなる。
著者の力の入った感傷的文章は、評価が分かれるかも知れません。
彼のあとがきを読みたい
★★★★☆
本人が明日からあとがきを書くと予定して、人事不省となり亡くなる。奥様の談話があとがき
になっている、読むと山際さんの人となり、この本が書かれた時期の様子などもわかり、
彼の引締まった文章に漂う気品の背景の一端にふれることができる。
対象となった人達が文章や行動で残した生き方を、書かれた本人の思い以上にそして正確に伝える。
スポーツノンフィクションで、例えばD・ハルバースタムなどの欧米の作家の乾いた熱っぽさ
につながる筆者をなくしたのは本当に残念だし、本人があとがきをどう書くつもりだったのか。
この本は、彼の他の文章とは微妙に違って「生きる(逆の死)」に神経が集中している。
結果として生前最後の本人監修の文庫になるが、何か感じることがあったのかもしれない。
幸せな死・・・
★★★★★
私はアルピニストではない特に山登りもしない(たまに近所の低山にハイキングに行く程度)
が、山には憧れをもっている。
これ程までに我々を魅了して止まない山の魅力とは何だろう。
山際の文章を私はドライな淡々とした印象に感じた(印象は人それぞれだ)。
この本にでてくるアルピニスト達は皆 山で死んでいる。幸せな死だと思いたい。いかに山が好きか良く書かれていると思う。良い本である。
山に興味がない人もぜひ手に取って欲しい一冊である。