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「死への準備」日記 (朝日文庫)

価格: ¥1
カテゴリ: 文庫
ブランド: 朝日新聞社
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『よく死ぬことはよく生きることだ』 ★★★★★
『よく死ぬことはよく生きることだ』とともに、本著をひもといた。前者のレヴューに小生が記述しているように、本著においても、著者は左より日本を憂いつつ、また女性の解放を痛々しいほどに願いつつ、また一ジャーナリストとして凄絶に仕事をこなしながら、昇天されるまでにわたる闘病記がこれである。私は、ふたたびその果敢なる人生の生き様に、思想信条をさしおいて、感動と熱涙にまみれたのであった。このような素晴らしい人とこそ、祖国日本の再生を願ってともに戦っていきたかったと、一学徒にしかすぎない私が僭越ながら思うほどの、それほどの熱い方が本著者である。先に紹介した著書とともに、この一度しかない人生の意味を改めて考え直すには、格好の著書に位置づけられよう。醫学の末席に携わる一学徒として、この魂の書をわれわれに残してくれた彼女に、私は最大限の賛辞と敬意、そして尊敬をもって、合掌とともに、深い感謝を著者の魂に捧げたい。
悔いのない人生を送るには ★★★★★
悔いのない人生を送るにはどんな日々を送っていけばいいのかということを、深く考えさせられる。
著者の千葉さんは、深刻な状況のなかにあっても、決して流されず、悲嘆にくれるでもなく、確固たる考えと意志を持って冷静に自分を見つめる。そして、仕事と暮らしの計画を立て、楽しく充実した毎日を送ることを何より大切にする。なかなかできることではないだろうが、自分もこんなふうに生きたいと思った。
まわりの人や社会に対する著者の考えや距離のとり方は、病気であるなしにかかわらず、人として生きて行く際の参考になるだろう。
私にはまねができない。すごいです。 ★★★★★
貴女の写真が スタート!!!
貴女の 生きていた 姿 想像します。
美しい!      
千葉敦子さんのことを いつも 思い出しています。

この日記は、『朝日ジャーナル』に連載されていました。
毎週 千葉さんの文章を ハラハラしながら読んでいました。
「ずっと千葉さんの日記がつづいてほしい」と ひたすら祈っていました。

時々、「休載」となりました。
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そして、千葉さんの死を伝える簡単な記事がのりました。

一週間毎の あの不安と緊張の時を 思い返してしまいます。

文庫版は、「一挙」に 読ませてしまいます。
よくないです。
千葉さんの日記は 一週間毎 「つづくか、つづくまいか」。
そんな緊張の日々でありました。

千葉さん、あなたのおかげで日本の医療界も少しは変わりました。

今、アメリカ医学が日本を席巻しています。
しかし、率直にいえば、不幸な事態に入りつつあるともいえます。
心が弱っている時にぜひ読んで欲しい。 ★★★★★
千葉さんは著書の中で、ガンはゆっくりと死の準備ができるから有る意味、理想的な死に方であると言っている。タイトル通り、この本は死への準備の日々であり、 彼女は遺書を書き、死後の印税で貧しい国の学者への奨学資金を作成したりしている。また、暇を見つけては映画を見、バレエを見、街を歩いてニューヨークを楽しもうと意欲的だ。声を失い、早足で歩けなくなり、抗がん剤の副作用に苛まれても、彼女は悲観的になって生きる意欲を失おうとしない。最後の最後まで自分の理想とする生き方を貫こうと積極的だ。
末期ガンという病状を考えると悲惨な状況なのだが、本人がどこまでも意欲的で、自分の病状を冷静にレポートしているので、読者は感傷的になることもなく、著者も無用の感傷を受け付けない。「強い人」と一言で片付けず、心が弱っている時にぜひ読んで欲しい一冊。
いつまでも若さとタフネスを失わない人へ ★★★★★
彼女の考え方にとても共感ができるし、本を読む度に何度も励まされました。私が本を手にしたのは既にニューヨークで亡くなられたあとで、それを知ったとき、もうこの人が書いたものを読むことはできないのだと、落胆したことを覚えています。せめてもう少し生きていて欲しかったけれど、死に直面したからこそあのようなレポートが書けたのだろうとも思うと、複雑な心境です。『ニューヨークの24時間』でPCの可能性に興奮していましたから、もしご存命ならば、きっとインターネットもフルに活用していたことでしょう。

日本で単行本化されている本は、そんなに多くありません。あまりにも攻撃的で、読んでいるこちらが居たたまれなくなる本も少なからずあります。病気になる前は少しアクがあり過ぎる人ち?ったように思います。

この本は、悪化する病状の進行をアパートや病室から報告したもので、彼女の死を予感させる最後の言葉で本は終わります。リアルタイムで朝日ジャーナルに連載されていたのだそうです。死を覚悟し、それを正面から見つめた冷静さに頭が下がります。自分の気持ちに正直に、積極的に生きなさいという、若い女性への最後のエールだったのでしょう。…と思っていたら、身近に彼女のファンだという男性が2人いて、これは訂正。いつまでも若さとタフネスを失わない人への、エール本でしょう。それにしても、惜しい人を亡くしたと思います。