この作品の特色として、時代風景や、当時の物価や社会背景が細かに描かれており昭和30年代の東京の風景が浮かんでくるようである。街中で起きる小さな揉め事の解決から暴力団の家宅捜索まで扱った事件の多さには驚くが、警察の仕事の一端を垣間見るようであった。
著者の特徴として、部下の監督指導にもページを割いて書かれている。少し堅い部分もあるが、同じ著者の「平時の指揮官 有事の指揮官」と共通する部分も多い。 著者の手による本文イラストの楽しさもあわせ、お勧めできる一冊である。