「コンピュータで新聞を作る」
★★★★☆
「コンピュータで新聞を作る」
という、コンピュータがここまで発達・普及した現在だと普通に考えられることが、
昭和40年当時、「アポロ宇宙計画に匹敵する難事業」であったこと。
そして、昭和40年といえば、山陽特殊鋼や山一證券の経営破綻という前年までの好景気から一転した
大不況の真っ最中・・・新聞社もその例外ではなく、
どこも経常利益1〜2億/年の頃、全国展開のための営業費増と新社屋建設ラッシュの結果、
毎日新聞社は200億余の借金、日本経済新聞社も100億余の借金を抱え、青息吐息の中で
産声をあげたプロジェクト。
700ページ余の大分の本書、コンピュータ導入による活字・職工の全廃という
「革命」を狂言回しにした
昭和40年代〜52年に毎日新聞が新旧会社に分離するまでの新聞業界史でした。