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ルポ 現代の被差別部落 (朝日文庫)

価格: ¥1
カテゴリ: 文庫
ブランド: 朝日新聞社
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問題は差別社会の側にある ★★★★★
 1948年生まれの朝日新聞社記者が、長野県各地の被差別部落を現地取材した上で、1974年に刊行した本を、1988年に加筆の上文庫本化したもの。江戸時代における身分制の確立と共に成立した長吏兼皮革業者の身分は、合理的な根拠なしに一般社会から賤視・疎外され、信州では小規模で散在した部落を形成した。明治時代には、法律上「新平民」という形で「解放」されたものの、実際には貧困と差別は残り(差別戒名等)、補償なしに特権を剥奪されただけだった。その後も部落民は不自然な形で独自の区や隣組を作らされ、周囲とかけ離れた番地を付けられ(したがって住所で出自がばれる)、水利や入会権からも排除され、不安定な仕事(土方、皮革業、草履作り、柏葉採り等)にしか就けず、感情的な結婚差別も後を絶たない(親が部落民であることを隠しており、結婚を機に他人からその出自を暴露される例も多い)。差別が「伝統」化しているため、部落外の住民には差別しているという自覚が希薄であり、近親結婚が多いというような根拠なき偏見によって、差別が合理化される傾向が強い。こうした差別に対して、部落民自ら対抗する拠点となったのが、水平社や部落解放同盟であり、差別糾弾や学習会を通じて、自分の出自を恥じずに堂々と生きるための意識変革を目指し、同和教育や同和対策を進めたが、「寝た子を起こすな」論も未だ根強い。著者はこうした重い事実を、あえてできるだけ実名にこだわる形で1974年に公表し、問題提起を行った。その15年後、再び現地を訪れた著者は、幾分かの前進と、部落および運動の内部分裂(えせ同和・同和利権問題(341頁参照)も)や匿名差別の頻発等を見聞しつつ、血が通っていないまま進展している同和教育のあり方に、警鐘を鳴らしている。全体的に部落解放同盟に好意的な感が否めないが、地道な取材に基づく真摯で読み応えのあるルポである。
                           
差別の源流はどこに ★★★★★
現在は朝日新聞の論説主幹をしている若宮さんのまさに駆け出しの頃および単行本出版の15年後の再取材による文庫化
単行本は昭和49年(朝日新聞長野版での連載をもとに)

若宮さん自身も大学を卒業するまで同和教育と言うものを知らなかった書かれている。(もちろん東京にも被差別地域が存在するのだが)
それが赴任先で驚くような差別問題に遭遇する。
地域や苗字で被差別部落と分かり、教育、結婚や就職での差別から起こる不幸、学校の教員の心の中にまで潜む差別意識。
それらを極力実名と地図まで示して書き綴っている。
劣悪な労働現場には部落に住み込んでそから同行し取材している。
同和教育の導入と普及、同和対策の光と影、読んでいて胸が締め付けられる思う箇所も多々あった。
無知であることがさらなる差別を生むと指摘している。
メディアでタブー視されている問題に若き日の若宮氏が上司や被差別部落の人々のバックアップで本書を書き上げた姿が目に浮かぶようです。
人が人を差別する愚かさ、差別される側の思いや痛みを理解できる人を育てる教育や社会の必要性を痛感した一冊である。
(2007読了)
私の入門書。 ★★★★★
教科書レベルでしか知りえなかった現実を、この本は教えてくれました。根深く、そしてサバイバーのストレスや気持ちや生活を考えると、いたたまれなくなる。私は何ができるのか、今、知ることが大切だと思っています。入門書には一番だと思いました。
現代の問題として実感 ★★★★★
住井すゑさんの「橋のない川」を読んでから被差別部落には興味を持っていました。(不謹慎な言い方だったらスミマセン。)しかし「橋のない川」の舞台は明治から大正時代で、私自身も差別が生活の中で感じられない地域に住んでいるので同和問題は過去の話だと思っていました。 「ルポ 現代の被差別部落」をよんで現代にも残っている問題だと実感しました。筆者の方も日雇いの仕事に参加したりして部落の人の生活の様子も知ることが出来ます。30年ほど前の話なので内容の古さは否めませんが、部落問題入門書としては良いと思います。これからも勉強したいです。