涙。
★★★★★
2003年1月、ミラノのアルチンボルディ劇場での撮影。合唱管弦楽は、スカラ座合唱団&スカラ座管弦楽団。
まず、演出が素晴らしい!大道具小道具全て凝っている。
次に、ロドルフォ演じるマルセロ・アルバレスの豊かな声量&アクート&表現力!高音も楽々出します。
最後に、ミミ演じるクリスティーナ・ガイヤルド=トマスの容姿の美しさ!演技歌唱供に、正に薄幸の美人という言葉が良く似合う、はまり役。
最後の最後に、二幕で、スカラ座の威力を思い知らされました・・・。輝くような合唱!誰かさんから、「スカラ座が世界一だよ」と聞いていたけれど、これほど素晴らしいとは思わなかった。
図らずも涙してしまったこの演奏。星五つ。
当たり
★★★★☆
フレーニ=ミミのゆったりとした1960年代カラヤン版に慣れていたので、最初はテンポが早くて驚きでした。ミミ役のドマスの鷲鼻と口の大きさに目がいってしまいましたが、演技や歌がうまいので気にならなくなりました。初めて見た動くアルバレスが結構素敵で、ロドルフォのイメージどおりの若々しい張りのあるテノールを堪能できました。カラヤン版の品のある美しさもいいものですが、いい意味で現代的なこちらもかなりのレベルだと思います。本来なら星5つをつけるところです。星ひとつ減らしたのは、ムゼッタ役で東洋系のヘイ=キュンホンの、ビジュアルも声質も最後まで好きになれなかったからです。
ラ・ボエームの新しい定番となりうる、充実した演奏
★★★★☆
ゼッフィレッリ演出による、ラ・ボエームの実況録画盤です。この演出は、カラヤンを始め多くの指揮者によって連綿と上演され続けてきたものですので、そういう意味ではいささか食傷気味と言えなくもありません。でもやはり、第三幕の雪の情景など、これより美しいものを舞台上に作ることはなかなか困難と言える出来栄えです。何より今回のディスクは新しく優秀な録音によるものですから、ミラノスカラ座オーケストラの美しい弦楽器の音色などをたっぷりと堪能することができます。指揮者も歌手も、メリハリのきいた若々しい演奏ぶりで、この悲しいドラマをおおいに盛り上げてくれています。このオペラにはこれまでも名盤が沢山ありますが、このディスクもまた、新しい定番のひとつとなりうる内容をそなえた素晴らしい記録だと言えるでしょう。特典映像として、ゼッフィレッリのインタビュー映像が付いているのも嬉しいことです。