背表紙の概略見た時から、１００％予想ができていたお話。
「友達だなんて思ったことはない」は、当然のことながら「友達ではなく好きな相手としか見てない」という意味で、まあ予定調和的な部分が多いお話でした。

それでもいいなあと読み勧めて好ましい感想を持ってしまうのは、やはり友人として長年付き合ってきた二人の関係が恋人に変化していく過程というものが、ＢＬ小説では定番でもありときめく題材でもあるから（笑）
特にこのＣＰは、司が強引というか、我儘というか、仕事場や他の人には絶対見せない子供っぽい部分を真一には見せる。その真一に対する絶対的信用感や安心感を抱く司がかわいいし、その司の性格を知っていて何気なく、そしていつもさりげなく横にいる真一もほほえましい。

その分実は真一は我慢をしているわけで、後半に収録されている後日話「あいたい」では、真一のため込んでいた部分が爆発して、今度は司がそれを受け止める役目をする。
友人から恋人に変化した二人は、お互いに支え合って生きていく。
感動じゃないですか！！

一人が芸能人、相手が一般人という作品は割とありますが、華やかな部分が少なく現実感溢れる芸能人×一般人で、久我作品だなと実感できるものでした。

芸能人になった方はまあ顔よし全て良しは当然だけど、相方の真一はごく普通というふれまわしなのもよし。ＢＬって皆が皆顔良すぎて、この世には不細工は全くいない！世界ですから……いいのか？？

あとがきにおもろい、おもろない、ふつう、のうちどれか
一言だけでもご感想をいただきたいとありましたが、おもろかったです。
☆4.5です。

主人公：真一（しんいち）と司（つかさ）は高校からの親友。二人が上京し、真一は大学生に、司が人気俳優になってからもそれは変わらないはずだったが、司とアイドル女優とのスキャンダルが報道されたことから、二人の間に亀裂が入っていくお話です。
長い間、友情だった二人の関係が愛情に変わっていく、その友情と愛情のはざまが丁寧に描かれています。