やっぱりすごい!
★★★★★
青春の1作。
20年ぶりに買ってみたけど、
やっぱり、面白い。
とにかく、
男たちが、恰好をつけることが
しっかりとできているところが、
素晴らしく、素敵だ。
本当のところなんて、
どうでもよくて、
どうやって自分を張っていけるか。
このことが、高度経済成長以後、すっかりなくなって、
日本はゆるーい世の中になってしまった。
暴力満載、でも、それ以上に、
なんともいえない清々しさが、
全編に満ちている。
ヤクザ映画の最高峰
★★★★☆
ハイティーンの子供に
「昔の映画で絶対おもしろいものはないか」
と聞かれて進めたのが本作だ。
子供は父の生きた時代と、父の鑑賞眼をすこし、
理解した。
広能とテッチャン
★★★★★
あのラスト近く、二人が汚い部屋で本音を語り合い、テッチャンが弱音を吐く名シーン。ショッキングな映画史に残る伝説のラストを予感させるが、その予感を超えるクライマックスへの演出が素晴らしい!死んだ親友といつも広能とテッチャンの会話のモノマネやって映画好きの集まる酒場でウケてたのが懐かしい…。文太がでてくると拍手が起こる東映の小屋の雰囲気も好きでした。傑作です。
「御輿が勝手に歩けるゆうんなら、歩いてみいやぁ」
★★★★★
仁義なき戦いのオリジナル5作は、どれも白眉だが、1つだけ選べと言われたら、やはり第1作だろう。映画というのは、脚本と監督の腕次第ということを、まざまざと見せつけてくれる(完結篇のみ脚本は笠原氏ではない)。これほどの名作について、いまさら御託を並べる必要はない。関連書籍も併せて読むと、味わい深さがよりいっそう増すと思う。
少しも古さを感じさせないジャパニーズ・フィルム・ノワール
★★★★★
「邦画なんて、演歌みたいに泥臭くてダサいか、J-POPみたいに薄っぺらくて軽〜いのばっかでしょ?」
と食わず嫌いの人にお勧めするのが、「七人の侍」とこの「仁義なき戦い」です。
どちらも何十年も前の映画でありながら、今も尚全く古さを感じさせず、現代の感覚で見ても何の違和感もなく楽しめる(=リメイクの必要性がない)完璧な娯楽映画です。過去の名作だから見ておかねばなどとお勉強感覚で構える必要は全くなく、普通に肩の力を抜いて楽しむことができ、なおかつ見終わったあとに「日本映画ってこんなに面白かったんだ・・・」と感動できる傑作なのです。
ヤクザ映画と聞くと「極道の妻たち」みたいなのを想像してゲエッと拒否反応を示す人も多いかと思いますが、これはいわゆる「ヤクザ映画」ではありません。暴力団抗争は単なる舞台装置に過ぎず、描かれているのはどの世界にも通じる、権力闘争に巻き込まれていく人間たちの赤裸々な人間ドラマです。でありながらスピーディーな展開とアクションが重苦しさを感じさせず、陰惨で救いのない話でありながら、見終わると不思議にスカッと爽快な気分になるのです。
暴力・流血シーンはありますが、今時の暴力映画と違って殺される側の「痛み」のようなものが画面から伝わってきます。虫けらのように殺されていく端役のチンピラもまた人間なんだということがわかるのです。まるで射撃練習の的であるかのように敵役をバッタバッタとマシンガンでなぎ倒すハリウッド製ヒーロー映画と、果たしてどちらが「残酷」なのでしょうか。