深作欣二監督の実録ヤクザ映画シリーズ第3作。今回は昭和35年から38年までの広島を舞台に、ヤクザ同士の血みどろの抗争を描いていく。広島最大の暴力団・村岡組の跡目をめぐって山守(金子信雄)と打本(加藤武)が対立。打本は広能(菅原文太)を仲介に神戸の明石組組長(丹波哲郎)に盃を申し入れるが、それを不快とした村岡は、山守を跡目に据えた。抗争に敗れた打本は神戸の明石組組長(丹波哲郎)の元へ逃れ、一方の山守は神戸の神和会と手を組んだ。かくして代理戦争が勃発していく…。
複雑怪奇に入り組んでいく男たちの思惑と行動を見事にさばく深作演出は、ここでも絶好調。シリーズの人気者(?)山守組長に匹敵するほど狡猾な打本役の加藤武も、味のある演技を披露している。(的田也寸志)
ドロドロの大噴火(‾o‾)
★★★★★
私は、鹿児島からですが、まるで桜島が今にも大噴火して、溶岩や
大量の噴石やどか灰を降らせるどろどろした得体の知れない(T_T)
エネルギーを感じて圧倒されます。菅原文太さんと金子信雄さんの
お二人が、激しく良いですね。こういう映画が、現存することに!(^^)!
日本人として誇りを感じております。(^^)/‾‾‾
今じゃ考えられないキャスティング
★★★★☆
内容に関しては他の人が語っているとおりですが、このあたりから一度死んだはずの人間(俳優)が他の役として出てきます。
当時の世相を反映してかどうしても興行的にも売れる役者を登場させたかったのでしょう。
現代のシリーズ物ではとても考えられないようなキャスティングです。
当然、前回までに死んだ登場人物の印象が残っているので、新しい役には少なからず違和感を覚えてしまいました。
それを差し引いても日本映画界に残る名作には変わりないのですが、他の役者も観たかった気がします。
シリーズ最高傑作
★★★★★
一作目で既成のやくざ映画の概念を打ち破った脚本:笠原和夫、監督:深作欣二、主演:菅原文太のトリオは、大成功を受けて続編であり、番外編的な「広島死闘篇」を作った後、抗争の主軸を描く本作、続いて事実上の完結篇である「頂上作戦」を撮って彼らの四部作を完成させます。(「完結篇」は脚本が笠原和夫ではない後日談)
シリーズ中、もっとも派手なドンパチシーンがない作品でありながら、敵味方入り乱れての杯合戦、内部の権力闘争など、面白さで群を抜く集団劇となっている。この集団劇を支えるのは個性的な多くの役者の存在である。小林旭の二枚目ぶり、梅宮辰夫の貫禄(+眉なし)、金子信雄のいい加減さ、加藤武の弱腰、渡瀬恒彦の純粋さ、川谷拓三の寝取られ男ぶり、成田三樹夫のスマートさ、山城新伍のやんちゃ、田中邦衛の小心、室田日出男の日和見、内田朝雄の大親分ときて、丹波哲郎の無言の写真出演まで多士済々。そんな中で、遠藤辰男と山本麟一のコンビが秀逸でした。人間の自己保身や組の利害関係に翻弄され、最後に憤りで渡瀬恒彦の骨を握り締める菅原文太の表情でキッチリ締めてくれます。
何回見ても、素晴らしい
★★★★★
DVD買って、台詞まで覚えちゃほど何回も見ました。
錚々たる有名俳優が大勢出演していますが、誰一人キャラが死んでいません。
すごく緊張感があり、最初から最後までもたつくところもありません。すごいテンポで一気に進みます。
自分は5作中この作品が一番好きなのですが、理由はやっぱり成田三樹男の松永がとにかくカッコいいから。特に打本の事務所へ杯を返しに、広能、江田、松永が三人で乗り込むシーン は、最高です。(ちなみに4と5の広能と武田の対話シーンも大好きです。)
結局上記の三人と山守、武田、槙原が一同に会するシーンは本作しか見れませんので、まだ見たことのない人は必見です。(昭和の日本映画の集大成だと思います)
それにしても、他界された、成田、川谷両氏の活躍がもう見れないのは本当に残念であります。
演技とは
★★★★★
昔はデニーロの専売特許だった感のある‘徹底した役作り‘。今じゃ日本の役者さんも役の為にナニソレをしたとか、カニソレをマスターしたとか言うようになったけど、僕に言わせればチャンチャラおかしい。演技の基本がまずありきでしょ?演技力+α役作りでしょ?デニーロくらいの演技力身につけてからモノいいな、と思ってしまうのであります。
この“仁義なき〜”シリーズ3作目、この作品を観ると当時の役者たちのウマさがわかる。僕は広島の人ではないので、方言が正しく発音されているかどうかはわからないが、あのセリフ回しや身のこなし、表情、ウマい意外の言葉がでない。これが役者だよな。方言を正確に表現したいならその地方出身の役者を使えばいい。役者とはいかにそのキャラクターを体現し、観客に生さを感じさせるか、そこに尽きると勝手に思っている。我が敬愛する成田三樹夫を初め菅原文太、小林旭、梅宮辰夫など、まさにキャラクターを生に表現している。特に新年の挨拶に集まった山守組のメンバー(成田、菅原、小林、山城)が口論になるシーンは日本映画史に残る名シーンだと勝手に思っている。