パソコン、PS2でヒットし、実写OV化もされた同名人気ゲームを原作に、まったく新たな設定とキャラクターで贈る純愛青春アニメーション・シリーズのDVD第1弾。第1話「私…涙、あげちゃったから」絵本作家を目指す高校1年生の仲上眞一郎(石井眞)はある日、学校の裏庭の樹の上で歌いながら赤いグミの実を取っている少女を見つける。その少女は、昨夜彼がイメージした天使にそっくりだった。彼女の名は石動乃絵(高垣彩陽)。一方、彼の家には父の亡き友人の娘・湯浅比呂美(名塚香織)が引き取られ、眞一郎と一緒に生活している。やがて眞一郎と乃絵、比呂美の複雑な関係が始まっていく……。第1話のみの収録なので、まだ紹介の域に留まってはいるものの、丁寧な作画と静謐な演出が観ていて心地よく、脇に至るまでキャラクターも魅力的。同居という設定ゆえにありがちなセクシー・シーンなどにも嫌味はなく、これから始まるドラマに大きな期待を抱かせてくれる。実にいい導入だ。(増當竜也)
エキゾチック???
★★☆☆☆
褒めるとすれば、独特の雰囲気を持っている、となるのでしょうが、
風景と、イマイチ煮え切らない展開によるところが大きいのではないかと思います。
風景については、あれはまさしく富山県の城端を中心としたものです。
都会の方にはエキゾチックで美しく感じることでしょう。
が、その元ねたを知っていると、ロケハンで手軽に作れるよなあ、ふと感じてしまいます。
地元(近所?)の家を取材すれば良いのですから。見慣れていると新鮮じゃないですね。
もともとこのプロダクションは実力のある下請けだと思いますし、作画自体は間違いないものでしょう。
でも、ここまで徹底して富山なのに、なぜ妙な踊りが出てきたり、今川焼きが出てきたりするのか
首をかしげました。取って付けた感が非常に強く、浮いています。せっかくならリアルな富山もので
統一すればよかったのに。
お話については、私はこういうジャンルが元々それほど好きではないため、
見る人にお任せしたいと思いますが、なぜ主人公がモテるのか納得できなかったのと、
ヒロイン達がなんとなくずれているというか、古風というか、陳腐というか・・・そういうところが
気になりました。親近感が沸かなかったため、どっちでもいいよ、的な気分になりました。
演出についても・・それほど印象に残りませんでした。変な評価の仕方になりますが、
やっぱり京都アニメは上手いのね、と妙に納得してしまいました。
地方の小さなプロダクションとしては頑張ったと思いますし、応援もしたいです。
が、個人的には高い評価を上げることは出来ません。
絵が綺麗で、最近のトレンドからズレた恋愛ものかな、という印象は残りましたが。
詩情
★★★★★
断言する。この番組は日本映像史に残る。
第10回『全部ちゃんとするから』は、2000年代アニメの最大の収穫である。
60年代・70年代でアニメのネタは出つくし、80年代・90年代はその出がらしである。。。。。。という固定観念が蔓延していた。ましてや00年代をや。
しかし、2008年は記念碑的な年だった。この番組と『紅』の放送をもって、日本アニメは新たな表現をようやく獲得したのだ。
2003年の『カレイドスター』とともに、自分の人生に影響を与えたアニメ番組だ。
1話を見て主人公に共感できると面白い
★★★★☆
タイトルのままですが、1話を見て主人公の置かれている立場や状態に主に恋愛感情の面で共感できるなら面白いと思います。
その下地が有るのと無いのとでは楽しみ方が変わってしまうのかもしれません。
個人的に純粋さはこの作品の根幹部分にあると思っているのですが、それが現実での理想を画面内で叶えているようにも感じました。
男女共に現実でこんなにただ一人を想い続けている人も少ないでしょう。作品内にもまるで現実と理想の違いを見せ付けるように人間の暗い部分が描かれていたりするので、よりラストの瞬間のかけがえのなさが際立っているように思います。
見終わった後、”楽しい”というより”良かったー”と思うような作品でした。
萌えアニメとしてはかなり地味。
★★★☆☆
このアニメの評価がかなり高いと聞いたので予備知識なしで購入し、全13話を視聴しましたが、美少女アニメとしては、かなり地味な作りでした。従来の萌えアニメのような展開があまり無く、少女3人と主人公の落ち着いた日常を、丁寧かつ綺麗な映像で魅せていく作品という感じで、ベタな展開を期待している人は少し拍子抜けするかもしれません。(しかし、乃絵の妹キャラは単純に萌えます!)
最近のお色気萌えアニメに少し飽きてきた人にはいいかもしれません。
私的最重要文化財
★★★★★
初放映時は08年、それから二年たった10年現在。恋愛アニメは数多く作られてきたにもかかわらず、
いまだこの域に達する「こわい女とおろかな男」を描いた作品が皆無であることを、
完全受注生産のブルーレイ版を視聴し終えて再確認しました。
外見はシンプルな恋愛アニメです。最初主人公であるおろかな男(眞一郎)はやさしい女(乃絵)、こわい女(比呂美)、めいわくな女(愛子)、
三人三様の思いを受け止めきれず右往左往しますが、最終話へいたる過程で、ひとりの女を愛する決意をかためます。
その決断ー選択は正しかったのか? 作品を見終えた視聴者はいつまでも考え続けるでしょう。
この作品は、絶え間なくグッズや同人市場をにぎわすのと別次元で、終わりません。
視聴者の年齢ー恋愛観の変遷に合わせてまるでちがう感想をもたらしてくれるからです。したがって最良のソースで手元へ置いておくことが必須になるわけです。
残念ながら10年4月現在、ブルーレイ環境で観る機会は整っていません(発売されましたが完全受注生産)。
けれど、本作のブルーレイ版がふとしたきっかけで気軽に入手できる環境が整わない限り、
日本のアニメはこれからも「青春を謳歌」できても、「成熟」することはないでしょう。