小説家としては好きだが歴史家としては駄目
★☆☆☆☆
中国文学者としては高島俊男氏のファンなので。著者同様、中国文化がすごく大好きでその反動でモンゴルや日本が嫌いな人はおすすめ。特に日本人が好きな諸葛亮が嫌いな人とか。
日本人は三国志しか興味がないので他の時代にも興味を持たせようというのがこの本の趣旨ですけど、著者の偏った歴史観&エゴむき出しの内容のため歴史書としてはちょっと・・・。
諸葛亮なんかたいしたことない岳飛が一番中国では尊敬されてるんだと頑張って述べてるんですけど、だから諸葛亮が尊敬されてないわけではないんですよね(そうとは書いてないんですけど読者にそういうふうに思わせようとしてるのがミエミエ。)諸葛亮は軍師としてはたいしたことがない、それは正史の感想でも書いてある。じゃあなんでそういう感想書いた陳寿が中国人自身に叩かれたかといえば忠臣でありよい政治をおこなった諸葛亮を悪く言うなということだろう。
そんなこと言ったら岳飛も文天祥もモンゴルから中国を救えなかった駄目な奴ということになってしまう。
諸葛亮も岳飛も文天祥もその生き様が称えられているのだ。
彼自身はモンゴルびいきの人のこと(たぶん杉山正明氏のこと)をけなしてるのだけど自分自身が中国びいきの人間だとは思ってないらしい・・・恐ろしいことだ。いや思っててもそれは当然だと思ってるのかもしれないけど。
中国を褒め返す刀で日本やモンゴルを切るみたいな偏向した歴史観を改めてからこういう本を書くようにしてもらいたい。まあ無理だと思うからずっと小説書いてなさい。
『中国武将列伝』(上/下)
★★★★★
三国志からの脱却を目指すには最適の作品だと思います。
田中氏ならではの分かり易い文体で、巧みに中国史各時代の醍醐味を紹介してくれています。
まさに、日本における中国史のバイブルといえるのではないでしょうか。
中国史の苦手な方ほどオススメ
★★★★★
中国史が苦手だという方は、ほとんど名前が嫌だという方がほとんどでは・・・?『岳飛伝』その他多数の中国作品をかきあげた著者ならではの豊富な知識で上下巻に渡り武将を紹介しています。日本人による中国史と中国人にとっての歴史の差異や、歴史が苦手な人にもわかる説明で、読者の知的好奇心を誘います。さらに、中国史を極めたい方も必見。プロの中国史作家さえも犯しているミスの例や日本ではマイナーだが個性豊かな勇猛過激な武将たちの列伝も並んでいます。これを読んで中国史のトリコになること請け合いです。