アニメの芸術としての可能性
★★★★★
ラビリンス・ラビリントス: 監督/りんたろう・キャラデ/福島敦子
走る男: 監督・キャラデ/川尻善昭
工事中止命令: 監督・キャラデ/大友克洋(注:【AkIRA】以前)
以上の三部構成で、三作品とも、10分程度のショートフィルム。ストーリーとして観れるのは、【工事中止命令】だけで他の二作品はどちらかといえば、映像そのものを観て楽しむアニメだと思う。
【ラビリンス・ラビリントス】は映像がとても幻想的で、もはや芸術と言ってよいのではないかと思える作品。主人公のサチが飼い猫の跡を追い、振子時計の中へ迷い込み、摩訶不思議な体験をする話。
【走る男】は、無敗を誇る主人公のレーサーが精神的に追う詰められ、レース中に自分の幻覚に出会ってしまい壮絶なレースに陥ってしまう話。
この作品は、川尻さんの描くキャラクターの表情・肉体美を堪能できる内容。キャラクターだけでいったら、この作品を超える作画を観たことは無い。後、車体の爆発の表現は美しいです。
【工事中止命令】は、ロボットだけで工事が進められている現場に、失踪した前現場監督の変わりに主人公が送り込まれ、工事を中止させようとする話。
この作品は、主人公が止めようとしても全く言う事を聞かず、工事を続けるロボット達のコミカルな動きに中毒性があります。
主人公の声をあてているのは、今は声優業を引退してしまったと思える、【水島裕さん】です。マーズ役が懐かしい。
アニメーターを目指している人達には、是非とも御覧になってほしい作品です。
きっと良い刺激になることでしょう。
「あんたの観る映画は変なんが多いねぇ」…
★★★★☆
うちの嫁がこの映画を観てもらした言葉である…。。この言葉から万人受けする映画ではないと思います。どこかしらダークな上、独特の雰囲気があり観終わった後の爽快感なんてありません。が、ごく稀に「こんな映画が好き!!」とおっしゃる方にはイケると思います♪ぼぉくわぁすきだなぁ♪←(板東エイジ風で)
りんたろうの才能に刮目せよ!
★★★☆☆
りんたろうの自由奔放なイマジネーションにはただただ圧倒されてしまう。がこの程度の映像表現なら日本のアニメのディレクターなら実は誰でもおちゃのこサイサイなのである。つまりそれくらい日本のアニメのディレクターは優秀だし才能の宝庫なのである。実写の監督は元より実写表現に骨の髄まで縛られている大友程度のマンガ家が束になったところで到底太刀打ち出来ない。 当時手塚の下で働いていた虫プロのディレクターやアニメーターたちは手塚の才能は認めつつも一方でバカにしていたというのも当然であろう。大友はそのことにすら未だに気付いていない。だからりんたろう程の才人にメトロポリスなどという時代錯誤の愚作を作らせ無駄に才能を消費させるという愚挙を繰り返している。要するに実写のイマジネーションから一歩も出ない人間には真の芸術は理解出来ないという事である。りんたろうには是非とも自らのリミッターを外したイマジネーションの翼を自由に羽ばたかせた作品を作って頂きたい!そう痛感させられる一篇である。
是非、原作の小説も読むべし。
★★★☆☆
大友監督の「工場中止命令」以外は、
大きく異なるストーリーですが、映像
化されていない短編物語があります。
SF作家の巨匠・眉村卓の不可思議SFの
世界をオススメします。
観客を置いてけぼり、かつ、子ども向けではない
★★☆☆☆
3作品50分ということで、一話一話が非常に短く、内容的に特に関連性がないという作品。
あえているのなら、いずれも正気を失っているという点で共通しています。
アニメ映画ですが、子ども向けというよりも大人向けの作品で、
ストーリーを楽しむというよりも、作品に込められたメッセージを
あれこれ想像するという楽しみ方をするのがいいかと。
かなり独特な雰囲気があるので、
時たま無性に見たくなるようなことがあるかもしれませんが、
一家団欒で見るのはやめた方がいいですね。