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The Coming Plague: Newly Emerging Diseases in a World Out of Balance

価格: ¥1,732
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Penguin (Non-Classics)
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第二次世界大戦後の一時期、医学関係者たちの間では、地球上のあらゆる疫病を撲滅できるという楽観論が支配していた、これは、当時次々と開発された抗生物質によって、感染症を抑え込めるようになっていたからだ。だが1960年代以降、致死率の驚くほど高い感染症、マールブルグ病、ラッサ熱、エボラ出血症などがつぎつぎと人類に襲いかかってきた。しかもこれまでの抗生物質をいくら投与しても一向に効力がない。そこでアメリカのCDC(疾病制圧センター)の「病気のカウボーイ」と呼ばれるスペシャリストたちがまさしく命賭けで、これらの微生物病原体への闘いへと挑んでいく。

本書は、そうした人間と疫病との壮絶な闘いを描いた大著である。最後まで読者を飽きさせない筆者の筆力は並々ならぬものがある。しかも医学のみならず、政治、経済、文化、社会というあらゆる分野を視野に入れた、ひとつの壮大な文明論であり、著者のことばに従えば、「人々が病気についてどう考えるかという新しい枠組み」を提供する試みでもある。そしてその試みは、見事に成功している。今後、世界規模で人々の交流が盛んになるにつれ、疫病が伝播する危険性もますます高くなる。本書を読み進むうちに、未知の感染症に対する日本の危機管理体制に対する不安が頭をもたげてきた。本書は、レイチェル・カーソンの『沈黙の春』に匹敵、もしくは凌駕する傑作といっても過言ではなかろう。(新田弘光)