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遺伝子の川 (サイエンス・マスターズ)

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: 草思社
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「利己的な遺伝子」への誤解を解くための平易な自己解説本 ★★★★☆
インパクトが大き過ぎた「利己的な遺伝子」の緩衝用か、その論旨を多くの比喩を用いて平易に解説した本。「生物=遺伝子のvehicle」との表現は極力控えている。連綿と続く遺伝子複製の歴史を、「遺伝子の川」と称し、種の分化を支流への分岐に喩えるなど、相変わらず上手い。遺伝子がコードの集まりである事から、計算機との関連性も多く採り上げられ、特に遺伝子発現スイッチをブートストラップに喩える辺りは著者の知識の幅に感心する。また、「遺伝子の川=digital river」と表現する辺りも巧みである。遺伝子がアナログであっては、数十億年間の複製の歴史に耐え得なかったとの巧妙な形容である。

現存する生物やそれが持つ機能に対し、「こんなに精巧に出来ているのは、きっと神が創ったからに違いない」との考えを真っ向から否定し、全ては「自然淘汰による漸進的な進化」の賜物であるとの主張が多くの例を引用して繰り返し語られる。「神の効用関数」との概念も面白いが、この関数の効果も「遺伝子を多く残す」事なのである。人類に共通祖先が居た事の証明も視点がユニークで面白い。「フォードの教訓」も著者が徹底した論理主義者である事を示している。また改めて、「利己的な遺伝子」の意味を、「集団の幸福とは偶然の結果であって、それを追求することが本質ではない」と定義している。

本書中で、ハチを中心とする多くの生物の生態やその実験結果が引用されるが、それらの一部は他の学者の実験・観察結果である(それと明示してある)。グールドのある実験を高く評価している点も興味深い。しかし、それらから導き出される理論はオリジナルであり、この理論の組み立て方と修辞の上手さに、理論学者としてのドーキンスの真骨頂があると改めて感じた。また、ダーウィン進化論の正統後継者である旨の矜持も本書の節々で感じられた。
「利己的な遺伝子」を読む時間の無い方にお薦め ★★★★★
ドーキンスの進化理論をわかりやすくコンパクトに解説しています。
深く理解するためには、
「利己的な遺伝子」「延長された表現型」「盲目の時計職人」を読んだほうがいいのですが、
興味があっても時間のない方にはお薦めの本だといえます。
入門書として楽しみながら読まれるのがいいと思います。
生命爆発の臨界点のイメージは鮮烈でした ★★★★★
 ドーキンスは、センセーションを巻き起こした著作「利己的な遺伝子」では、多くの動植物の目に見える事例をもちいて、たたみかけるように生命の本質が遺伝子の増殖/継続にあることを読者に納得させてくれました。

 今回は、そのおさらいからスタートし、他の学説との対比を明らかにし、最後には生命の行く末までうらなっています。最終章のメッセージは圧巻です。「生命を生む出す」爆発が、臨界点の階段を登って様を一気に語ってくれます。第1臨界点「自己複製子臨界点」を超えることで始まった地球上の生命が、単細胞、多細胞、組織、神経形成、集団形成・・・と進化を遂げ、今や第9臨界点「電波臨界点」の上で宇宙空間に情報を発信しているというイメージは鮮烈でした。

 しかし、その先の第1!0臨界点以降の話で、なぜかとても寂しい気持ちにさせられました。そうやって限りなく爆発していく様が生の実感からかけ離れすぎているからでしょう。私が実感を持てる臨界点の段差は前後数段しかないようです。その数段を別の角度で表現してくれると思われるドーキンスの他の著作も読み進んで行く予定です。

わくわくする遺伝子学の本 ★★★★★
遺伝子に興味を持ってる人もそうでない人も、この本を読めば、まるでSF小説のような遺伝子の世界へ惹きつけられる事まちがいなし。私も、もうわくわくして早く早く次のページへと思ってしまったくらいです。

これを読んで、もっと深くドーキンスの遺伝子の世界を覗きたいと思った人には、前作の「利己的な遺伝子」もおすすめです。壮大なスケールで理論的に展開される遺伝子の話は目からうろこの1冊で、私はこの本を読んで人生観が変わったといってもいいくらいです。