〈一者〉に忠誠を尽くし、他者たちのもとにあったジャン・ノルマドンの思い出に
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ユダヤの至純哲人レヴィナスが、「外の主体」=他者の思想について語る。…言うまでも無く、彼の思想は、フッサール現象学的自同性=純粋自我=「悪無限」に、他者への歓待の思想で穴を穿ち、融和、理解の斉和を綯える。
故に他者の思想理解は、当然希求されるものであり、必要とされる。
なかでもブーバー〈「我と汝・対話」で知られる〉の読解、ロデンツヴァイクの読解は、白眉であろう。近代ユダヤ思想の歩みに欠かざる存在として、敬意を表して、読み解かれ、思考が展開されている。…ローゼンツヴァイクは何故同化主義の至り(キリスト教への転向)直前にいたりながらも、ユダヤ思想に留まり、近代ユダヤ主義の原点・礎を築くことのなったのか?彼によって、ユダヤ人が、少数者であり続けながら、神なる思考を捨てずに来れた。
ユダヤ教徒キリスト教の典型的な違い「メシアイズム」=メシアは未だ着ていない…というユダヤの思想、よって、終末論のおぞましきハルマゲドンのキリスト教に比べ、ユダヤは、待たれるもの希望として、未来が考えられている。