No shit!
★★★★☆
アルバム avenue B発表後の1999年ベルギーはブリュッセルでのライブ映像。
冒頭のアコギ1本でしゃがみこんでの nazi girlfriend がかっこいい。
新旧入り混ぜてのセットリストのなかで、どちらかというと失敗作の avenue B からの作品が光る。
ポエトリーリーディングの I felt the luxury が印象的で、50歳すぎのイギーが曲中に出てくる女性を通じて、やがて来る自己の死を見つめている様がクール。
ダイブしたり、観客をステージに上げたりするパフォーマンスも楽しいが、いまもいっしょに活動しているであろう the trolls のバンドセットがいい。
もともと the stooges は、ドラムの Scott ギターの Ron の Ashton兄弟の放つ、息のあった独特のグルーブが特徴で、その意味では、
the trollsの ギター Whitey ドラム Alex のKirst兄弟の放つグルーブは、いい感じなのではないでしょうか?
バチバチとドラムが叩き、ギターがあまり派手にプレーすることなく、コードを決めひたすら突っ走っていく。
the stoogesの再来とまでは言わないが、かなりいい感じで、終演まで暴走していきます。
この男に偽りなし
★★★★★
ロックのコンサートにおいてオーディエンスの中へダイブするのは、今はもう珍しくない。まるでそれがロックのカッコよさ、因習であるかのように。だが、iggyは違う。彼のダイブは演出でもなければ、ましてや度胸試しでもない。とにかく理屈じゃない。体が躁病患者のようにもがきながら、その抑えきれない衝動を爆発させている。
よくiggyのことを「ゴッドファーザー・オブ・ザ・パンク」と呼ぶ人がいるが、iggy自身は形骸化した現在のパンクなど無視しきっているのでないか。
このDVDでは『アヴェニー・B』収録のしっとりとした“歌”もわずかばかりか聞かせて、それがミュージシャン・歌手としてのiggyのこれまでのキャリアを見事に歌い上げ感動させてもらった。
iggyファンだからいうわけではないが、しばらくはこれを超えるライヴ映像は見れないだろう。