安曇の人々を1300年見守り続ける中国人超飛竜と現在の安曇家当主志姫と
志姫の義兄の巧を中心に、物語は「新家庭に馴染む編」と「壷が割れちゃった編」に
流れるように展開していきます。
超飛竜が安曇家代々の守り神になったいきさつを当の安曇家代々の人達が
誰も何にも聞かないであるがままに受け入れるというのが可笑しい。
ご先祖の安曇羽鳥の話で「命がけで海を渡ってきたものの
次の船の予定は未定、帰れる保証はどこにもない」ってとこで
「遣唐船て定期便じゃなかったからな~」という緊張感のないつっこみも好き。
壷が割れて神仙界へ戻った飛竜を「もう帰ってこないかも」と心配する志姫だけど、
本当に残されるのはいつも飛竜のほうなんだよね。
そうやって代々の安曇の人々を見送ってきたのだなぁと思うと
なかなかじ~んとくるお話です。
同時収録の『殿様は空のお城に住んでいる』は大名の一日を描いていて
まるで「お江戸でござる」の杉浦日向子先生(合掌)の
お話を聞いているようで大変勉強になりました。
草履取の”投草履”なんていっぺんこの目で見てみたいと思いました。
殿様もラクじゃないんだなぁ。