著者がイタリア人、おそらくカトリック教徒だろうから、異教徒の者に読みやすいかといえばそうではないが(こっちは生活に根ざしたカトリックの信仰をまるで知りませんので。)、ヨーロッパの強国と肩を並べ、その宗教的権威故に軍なしでも最強の存在であったという、歴史が語られる。しかし、世俗とまったく離れていたのではなく、教会大分裂の時代や、権威だけを強国にいいように使われコケにされていた時代もある。ことさらに「神秘」を強調しないのが、この本のいいところだろう。