1944年、ノルマンディ上陸作戦を間近に控えたある日、633爆撃隊隊長グラント（クリフ・ロバートソン）らが所属する英国サトン・クラドック空軍基地に、ノルウェーのレジスタンス、エリク（ジョージ・チャキリス）がドイツ軍V2ロケット特殊燃料工場の情報を持って現れた。かくしてグラントらは工場の破壊を実行すべく、厳しい訓練を開始するが…。
   第二次世界大戦下の英国モスキート爆撃部隊の活躍を描いた航空戦争アクション映画の快作。前半の訓練シーンからクライマックスの敵地突入に至るまで、特撮を極力排したリアルで爽快感みなぎる空撮映像の数々は、それだけで大いに観る価値あり。一方、ドラマは意外なまでにシビアな展開をみせていき、娯楽性の中にもピリリと辛い戦争の真実といった主張を盛り込ませ得た優れものとなっている。監督は『略奪戦線』のウォルター・E・グローマン。（的田也寸志）