Abbado / Verdi : Requiem [DVD] [Import]
価格: ¥1,423
圧倒的なパワー。ヴェルディの傑作が具現する2つのビジョン(壮大な世界観と個人的な意味合い)の完ぺきなバランス。これぞ座右に置くべき『レクイエム』だ。本作におけるアンジェラ・ゲオルギューよりも1967年のヘルベルト・フォン・カラヤン盤におけるレオンタイン・プライスを、同じくロベルト・アラーニャよりもルチアーノ・パヴァロッティを取る向きもあるだろうが、その判断に別段異論はない。両盤には些細な違いしかないし、趣味の問題だからである。とはいえ、これはヴェルディの諸作の中でもっとも激しくドラマティックな作品で、クライマックスなどは世界の終わりを思わせる激烈さだ。クラウディオ・アバドは、そんな作曲家のビジョンをカラヤン以上のパワフルさで描き出し、超一流のオーケストラとコーラスを自由自在に操っている。
カラヤン盤のソロイストたち(世界的大家で、しかも絶頂期にあった面々ばかり)を超えるには至らないかもしれないが、アバド盤のソロイストたちも素晴らしい。彼らの歌には、調和の美しさと、アバドが――そしてヴェルディが求めるドラマティックな激情がある。EMIのリリース作品の常として、16ページの解説書付き。こういう点は、ほかのメーカーにも見習ってもらいたいところ。(Joe McLellan, Amazon.com)