10歳の目と感性を通して児童書として書かれた本だが、いじめや死という重いものから淡い恋心まで、テーマは幅広く、日常のささいなことから広がってゆくピーターの“白日夢”は、現実と切れ目なく続いて、不思議な浮遊感覚をもたらす。 そして、印象的なAnthony Browneのイラストが、この作品の独特の雰囲気を盛り上げます。
幼年期から思春期にさしかかる、ある日、ほんの一瞬、ふと肌で感じた不思議な感覚が読む側に伝わってくる。 子供はもとより、大人にこそ読んでもらいたい。 章を追うごとに少しづづ成長してゆく主人公の心を感じ取ってください。
各章とも、それぞれ独立した読みきりエピソードとしても楽しめる構成になっていて、状況を読み手にすなおにイメージさせる文章でつづられた本文は、初歩の英語学習者にも適した素材だと思います。