日本語で書かれているのに、古典と呼ばれるものは現代語訳されたり、抄訳になったり、さらには新しい解釈を加えた創作と言った方がよい作品にもなったりします。昔から伝えられてきた良い物であるからこそ、取り付きやすい形からでも知って欲しいと思い、また、新しく創作の思いが広げられるのでしょう。でも、それらを面白い、と思ったら、是非一寸でも原文に触れてみてください。ドラマなどになった時にどの辺が作者の工夫か、もわかると思います。例えば義経の母常磐と清盛の関係は、平家物語ではなくそれ以前を描く「平治物語」の最後に書かれている、といったこととか。
少しぐらいわからない言葉があってもどんどん読み進む。そのためには文庫の小ささ、軽さが良いと思います。角川文庫ソフィア版は、巻末にある索引が「敦盛はどの辺だったっけ」などと読み返すのに便利でした。