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Modern Classics Brideshead Revisited (Penguin Modern Classics)

価格: ¥1,583
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Penguin Classic
Amazon.co.jpで確認
代表作 ★★☆☆☆
イヴリンウォーが20世紀を代表するイギリスの小説家の一人だということは
wikiなどを読んで知っていた。軍隊に入り、ブライズヘッド邸に近いところに
来たところから小説は始まる。そのあと、回想として、大学時代、大学をやめた
あとの事、その後、絵描きになった頃のことなどが語られる。語り手の
ブライズヘッド邸に住んでいた家族とのつながりの物語となっている。
残念なことに、友人の妹とは最後に喧嘩をしてしまい、それがもとで
飽きられてしまって婚約解消になってしまう。それを引きずっている
せいか、軍隊でこの邸宅に20年ぶりにやってきたときには、
その家の礼拝所に行ってお祈りをする。ウォーはカソリックの小説家だから
という理由で、語り手はカトリックに改宗してしまっていたとか、
友人の父親もカソリックの信仰を最後に持ったとか、後世の人たちの
中には解釈している人もいるようだが、単純に、こんなことがあったんですよ
ということを語っているだけの小説におもえた。きれいな英文の
小説だ。この小説にはモデルがあり、
Mad World: Evelyn Waugh and the Secrets of Brideshead
がそれについて書いているようだ。また、
Charles Ryder's School Days and Other Stories
はBridesheadのスピンオフ作品のようだ。
ブライズヘッドとは? ★★★★★
ブライズヘッド(Brideshead)とはある貴族の館の名前で,ここを舞台に物語は展開します.これは長編といってよい長さの小説ですし,良い小説の常としてテーマがいくつも含まれていますので,そのあらすじをここで示すのは簡単ではありませんし,あまり意味もないと思います.そこでこの小説に含まれているテーマをいくつか提示することで物語の紹介に代えたいと思います.
小説は時間の流れを追うとすれば,1920年代のオクスフォードで始まり,1940年代,第2次世界大戦に突入したブライズヘッドで終わります.この小説は恋愛小説であり,友情小説であり,ある貴族一家の没落の物語であり,その家族の一人の人格崩壊の物語であり,母子関係を描いた小説でもあります.しかしもっとも重要なテーマは,英国においてカトリックであるということの意味,神の恩寵と沈黙,人間の罪の意識であるといって良いでしょう.その意味ではきわめて宗教的な作品です.イヴリン・ウオーが若い頃にカトリックに改宗していることを考えれば,そのことが理解できるかと思います.でもそんなことは意識しないでもこの小説を読むことはできます.一般的には恋愛小説として,人によっては友情小説として読むのがもっとも取っつきやすいのではないかと思います.また場面として,作家自身の体験に基づく1920年代のオクスフォードの雰囲気,あるいは当時の英国貴族の生活ぶり,大西洋航路の豪華客船の上での船客たちの生活ぶりなどを知るだけでも,じゅうぶんに楽しむことができます.
言うことなし! ★★★★★
雑誌『考える人』(5月号)の小欄で武藤康史がこの朗読のカセット版を愛聴しているということを知り、気になっていた。それ以来カセット版を購入しようかどうか迷っていたが、ここでタイミングよくCD版が発売された。天にも昇る心地である。

これはもちろんunabridged版で、CDは10枚組、収録時間は11時間21分となっている。CD1枚あたり400円と考えるとお買い得である。大げさだが、英文学をかじった経験があり、イギリス英語に憧れを感じており、ジェレミー・アイアンズのファンであり、原書を読破したいと思っている私にはもうこれ以上の商品はない。特に原書の英語はかなり難解でこれまで何度もチャレンジしたが、冒頭の「プロローグ」でいつも挫折していた。今度こそはこの朗読版の助けをかりて全編読破に挑戦してみたい。

さて、購入したばかりでまだ全てを聞いてはいないが、前半部を聞いただけでも、ジェレミー・アイアンズの朗読がいかにすばらしいものかがわかる。読むだけではわからなかった雰囲気みたいなものをうまく表現しているところはさすがである。例えば、「プロローグ」の後半、主人公のチャールズ・ライダーがブライズヘッドという地名を思い出す短い回想シーンは感動的である。その名文をここに引用する。

He told me and, on the instant, it was as though someone had switched off the wireless, and a voice that had been bawling in my ears, incessantly, fatuously, for days beyond number, had been suddenly cut short; an immense silence followed, empty at first, but gradually, as my outraged sense regained authority, full of a multitude of sweet and natural and long forgotten sounds: for he had spoken a name that was so familiar to me, a conjuror's name of such ancient power, that, at its mere sound, the phantoms of those haunted late years began to take flight.

ジェレミー・アイアンズはこの一節をゆっくりと静かに読み上げる。私はこの部分だけでも十分に元を取ったと感じたのである。武藤氏に感謝したい。
英国貴族の崩壊と信仰について美しく描いた物語 ★★★★★
チャールス・ライダーはオックスフォード在学中に知り合ったマーチメイン侯爵次男セバスチャンを通じて彼の家族とも友人となる。チャールスの目を通じて語られるカトリック貴族一家の物語は、そのまま第一次大戦後の英国の伝統社会の崩壊を語る。

作者ウォーは失われていく美しい伝統とライフスタイルを郷愁をもって描くとともに、カトリックの信仰についても懐疑主義者のチャールスを通じて問いかける。登場人物もそれぞれ個性に満ちていて、エキセントリックな人物を愛する英国ならではと言える。と言っても発売当時アメリカでもベストセラーになったこの作品は読み物としても面白い。BBCでテレビのミニシリーズとしてジェレミー・アイアンズ、ローレンス・オリビエ、ジョン・ギールグッドなどの出演で映!像化されたが、これも原作に忠実で完成度が高かった。