もう一度読むべき本
★★★★☆
毎日、イラクでの米軍のニュースを聞いている今、この本も、もう一度読む価値があるのかもしれません。私は、Greenは、この本以外には、human factorしかありませんが、未だに強い印象を残している本です。舞台は1950年代初期のベトナムでまだ米軍が地上介入する前です。おそらくCIAのagentであるPyleは、独り善がりのアメリカの象徴として、描かれます。そしてThird Force(アメリカのイメージと利益に合致した)とRole of Democracyを求めるPyleの活動は、悪意(bad motives)はないにしても、結果としては、お決まりの喜劇と悲劇を引き起こすこととなります。おそらくイギリス人であり著者の分身でもあろうFowlerの有名なコメント”これほどの善意からこれほどの問題を引き起こす人間を、僕は知らない”というアメリカ人への描写は、今も当てはまるのでしょうか。今はもうなくなってしまった、ある一瞬のサイゴンの素晴らしい描写にもなっています。ただいつもながら、現地のベトナム人の描写は、生き生きとすることはなく、ステレオタイプというか、謎のままに終始します