本書は、映画脚本の対訳で定評のある愛育社が、アーヴィング自身が書いた脚本を、忠実に出版したものである。撮影中の俳優のアドリブや編集によるカット部分はいっさい反映せず、あえてジョン・アーヴィングの原脚本に忠実に従っている。
映画の余韻に浸りたい人、すばらしい脚本で英語を勉強したい人、原作とは別感覚で読みたい人におすすめの本。『サイダーハウス・ルール』は原作、脚本、映画のどれをとっても非の打ちどころがない。この3つの作品すべてに触れることをすすめたい。なお、この作品でジョン・アーヴィングはアカデミー賞最優秀脚色賞を受賞した。(鬼杖 猛)