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My Movie Business: A Memoir

価格: ¥1,162
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Ballantine Books
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ジョン・アーヴィングの小説『サイダーハウス・ルール』と映画「サイダーハウス・ルール」の間には、4人の監督、13年の歳月、そして数えきれない回数の脚本の書き直しがあった。自ら脚本を手掛けたアーヴィング(同作品により2000年の第72回アカデミー賞最優秀脚色賞受賞)は本書で、最終的にラッセ・ハルストレム監督の手で完成されたこの映画の製作過程を当事者の立場から語る。脚本家アーヴィングには、原作の登場人物を減らし、脇の筋を整理し、あるいは新しい何かを挿入して映画の決まりに合わせることが求められた。彼はそれにすべて従ったわけではないが、妥協せざるを得ない場合があることも、最終的な権限は監督にあることも理解していた。彼はその制約を受け入れ、難しいパズルに挑戦するときのような冷静な態度で解決策を探る。
本書は彼と監督やプロデューサーとのやりとりを淡々と、しかしユーモラスに描いており、原作を読んでいなくても映画を見ていなくても、それ自体一編の小説のように楽しめる。アーヴィングは「脚本に文章は存在しない」と断言する。「脚本のなかに文章のかわりとして存在するのは、子ども用の複雑なおもちゃを組みたてる際の説明書きにすぎず、そこに唯一美的な要素があるとしたら、きわめて明快であること、それだけである」。本書は小説と脚本がいかに違うものであるかを実例に即して教えてくれる。原作者、脚本家の権限の及ぶ範囲がいかに狭いかについても、アーヴィングは書き漏らしていない。(松本泰樹)