キング・アーサー ディレクターズ・カット版 [UMD]
価格: ¥3,990
欧米では「英雄の原点」と語り継がれながら、その実体にはさまざまな説があるアーサー王の伝説を、ヒットメイカーのジェリー・ブラッカイマーが壮大なアクション・ロマンとして製作。西暦415年、ローマ帝国の支配下にあったブリテン(現在のイギリス)で、ローマ軍指揮官アーサーとその臣下である円卓の騎士たちが、ローマに帰るための最後の使命として貴族一家を救いに行く。しかし、独立を求めるブリテン人や、侵略者サクソン人との戦いは混迷を極めることに…。
監督のアントワン・フークワが『七人の侍』にオマージュを捧げたと言うように、戦闘シーンは黒澤映画を彷彿とさせ、その荘厳な迫力が見もの。凍った湖の上でのバトルは、息をのむ緊迫感だ。アーサーと、彼をブリテンに引き留めるヒロイン・グウィネヴィア、そして円卓の騎士のひとりランスロットの三角愛は、ブラッカイマー作品にしては意外なほど繊細に展開。むしろ壮絶な決意を強いられる各騎士の運命がドラマチックだろう。映画全体に風格が漂い、各シーンは見ごたえがあるだけに、アーサー役クライヴ・オーウェンの乏しいカリスマ性や、クライマックスの冗長な戦闘が残念。(斉藤博昭)