2章では、20世紀に突如現れたデモクリトスと著者との対話が誠に面白い。3章は、ガリレオとニュートンを主役として、力学の発展を扱う。4章は、ファラデーとマクスウェルを主役に、電磁気学の発展を追う。5章は、プランクに始まり、アインシュタインとボーアによる量子力学の解釈を巡る論争で幕を閉じている。
下巻で展開される、著者の専門である実験素粒子物理への導入という位置づけであるが、私がこれまで読んだ科学史の中で最も印象に残るものである。著者のユーモアも素晴らしいが、物理学への愛情が根底にある。科学に興味のある方には必読書と言える。