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アフガニスタンから世界を見る

価格: ¥2,415
カテゴリ: 単行本
ブランド: 晶文社
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いまだ混沌としているアフガン ★★★★☆
身体を張った取材で臨場感がある。いくつか著者が過去に書いた記事も引用してあるが、著者の先見性が表れている。この本の分析も確かであるように思える。タリバンが短期間でアフガニスタンの9割をほとんど無血で攻略したのはまるで魔法のようである。黒と白の入れ替わるオセロゲームといえるか。多国籍軍が各都市に入場したときもほとんど抵抗はなかった。顔の見えない指導者オマル氏。タリバンまで顔が見えないような印象をもった。ヒラの戦士は金で寝返る。軍閥トップは云わずもがな。サウジアラビアからもパキスタンからも資金が届く。タリバン崩壊後、各地の軍閥はタリバン残党を自軍に組み入れている。

 それにしても,パキスタンとのつながりがこんなに深いとは知らなかった。ダラの街は家内工業的な死の商人達がのきを連ねている。かれらはこれで食べているのだ。本物の銃があればすぐに模造品を作れるとの事。反タリバン連合に供与したアメリカ、ロシアからの最新式の武器が流れ込んでいる。それにはISIも絡んでいる。その他もろもろの政策により、パキスタンも同罪、ならずもの国家ではないか。もちろん、ならずもの国家ナンバーワンはアメリカであるが。パキスタンのムシャラフ大統領に少しでも同情した私はバカだった。

 パンジシール渓谷、アフガン北部、西部、東部、それぞれに利権、地下資源が絡んでいる。暫定政権に入閣の誘いがあっても地元を固め、利権を守る事を第一にしている。中央集権は難しいだろう。分割も資源、利権で難しいだろう。内戦は終わる事がないように思える。「世界はアフガニスタンの人々を見捨てた。人間よりも石の像のほうが大切なのだ。」当たり前だろう、あんた達は破壊を繰り返しているが、私達は汗水たらして生産労働しているのだ、過労死だってあるのだ、企業戦士だなんて呼ばれているのだ、甘えないでくれ、と言いたくなった。著者の趣旨には反するかもしれないが。