永遠のテーマ
★★★☆☆
「現役」であるということは男にとっていかに大切か。男性が20歳も年の離れた若い女性と関係を持つ事というのは永遠のテーマ(夢)なのでしょうか?うらぶれた中年男にこんな都合の良い展開があるのか、といった感は否めませんが、挿入されている主人公による作中官能小説が其処此処で不思議なユーモアをかもし出していて、うらぶれても、中年でも(ああ、でももう直ぐか)、男性でもない私も苦笑しながら読みました。
なるほど。こんな人生も良いかも知れない。
★★★★☆
年齢は主人公より少し若いが、主人公の置かれる立場が理解できてしまった。
ふと自分の将来を垣間見た気がして、少しだけ失望し、少しだけうらやましかった。
新しくできた友人や恋人を通して、自分自身のアイデンティティを失うのを恐れながら、反面
新しい自分を発見して戸惑っている様子が何となく理解できた。
気付かないということは寂しいこと。
★★☆☆☆
2005年に単行本として出された「幸福を売る男」を文庫化した作品。
「妻の離婚願望に気付かず、リストラもされたしょぼくれ」と「若いダンサーに恋をし、何故か女性に支持される」この主人公を一人の人間として捉えきれないままに、終わってしまった感がある。
東京下町という街と、官能小説ー男としてあり続けることーは、そこまで人間を変える力があるのだろうか。まだまだセカンドライフを想像することも出来ない年齢の私にはまだわからないけれど。
ただ、主人公を取り巻く人間達が、私は好きだと思った。誰もが過去を抱えながら一生懸命生きているところが良い。
こんなセカンドライフは羨ましい
★★★★★
まだ30代の私に具体的なセカンドライフ像はありませんが、今の調子で行けばこのまま定年を迎え、会社の職縁がなくなり、熱中できる趣味も見つからず、寂しい中年を迎えそうな気がします。そんなときに本書のようなセカンドライフが待ち受けていたら…、本当に最高でしょうねぇ。本書の良いところは若い人の専売特許的な恋愛を中年層に持込んだ新鮮さと、後味の悪くない終わり方の2点に尽きると思います。こんなセカンドライフを迎えられるのなら今の時を一生懸命頑張ってみようかなって思える一冊でした。