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いつかは恋を

価格: ¥1,785
カテゴリ: 単行本
ブランド: 講談社
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団塊世代の等身大の慎ましい恋物語。 ★★★★★
主人公は舅から受け継いだ金型製作の町工場「古内金型」の社長、古内久美子57歳。夫は既に他界し、長男の信太郎は11年前に家出し音信不通。義父の新蔵、結婚に問題あった娘の真美と同居し、女手で全てを切り回す。金型の従業員は優秀な3名のみ。この久美子を取り巻く金型取引関係、友人関係の付合いに加えて、タクシー運転手の寺坂徹と知り合う。寺坂は久美子と同年輩であり、元刑事。訳あって退職しタクシー運転手をしている。久美子の義父が倒れた時に病院まで親切に助けてくれた寺坂に、久美子は強く惹かれる。団塊世代の第二の恋を淡々と静かに描写しながら進む。この感じは他にも私が気に入る、江波戸哲夫氏、高任和夫氏、林望氏等の作品にも通じる。つまり徹底して中高年に焦点を当てるから、若い読者向きではないということだ。団塊の世代なら良く解る。若い読者なら寧ろつまらない作品と思うだろう。作品の中では昔懐かしい番組、音楽がふんだんに登場する。各場面随所に曲が流れている。本書を読むと同時に、当時のメロディも思い出す、その世界が素晴らしい。キングストントリオの「花はどこへ行った」、アニマルズの「朝日のあたる家」、ママス&パパスの「夢のカリフォルニア」、ゾンビーズの「二人のシーズン」がかかっている。TVでは昔の「月光仮面」、「お笑い三人組」、「スーパーマン」も会話の話題になる。女社長として金型に関するストーリー、ベーゴマの同好会、時効になった殺人犯を私的に追う寺坂、音信不通の息子との11年振りの再会なるか、そして「何があってもついてゆくから」と言う久美子の寺坂への強い想い、二人のしっとりとした関係の描写、いずれも団塊世代のhealing的ドラマだ。中高年の後半生の扉が開けられた思いだ。
50才を超えての恋愛について ★★★★☆
珍しく50才以上の金型会社の女社長のラブロマンスの物語。友人の書評から、その評価を見て、購入。読んでみることにしました。
最初は、年齢を含め、様々な条件設定に戸惑いましたが、長い人生を乗り越えてきた男女の味わい深い物語は、様々な示唆に富み、一気に読み終えてしまう面白さがありました。そして、まだまだ私にも分からない夫婦のお互いの思いも描かれていて、10年後にまた読んで見たいと思いました。
この小説はやはり中年以上の読者でないと堪能できない部分が多く、その意味では非常に特殊な作品だと思います。