太った大森さんのカッコよさ、素晴らしさ、というのはたぶん、読者が三十歳ぐらいにならないと分からないかもしれない。(作者は三十は超えてると思います)男も女もちょっと体の線が崩れつつあるこの年齢ならではの楽しさ、そして哀しさ・・・。あっスミマセンちょっと自分のことを語ってしまいました。
伊藤理佐サンは『えびちゅ』とか『バナナ』とか、面白いには面白いんだけどエロが暴走しすぎかな・・と思ってマイ・本棚に置くまでには至らなかったんですけど、この『ピータン』は一巻から七巻までがズラッと並んでいます。後悔ナシ!
レギュラー(出てこない回もあるけど)として素晴らしいのが、タイトルにもなっているピータンこと大森さん。いかにも、もてない腹の出た眼鏡の中年男性なのだが、「いい男」なのだ。こういう「いい男」が描ける漫画家は少ないと思う。大森さんの彼女になる女の子が初デートのときに「あー…そうか。この人は扉をあけたとき次に来る人をちゃんと気にする人だ…」と思うシーンはなかなかジーンときます。