面白かった
★★★★☆
やはり現場で働いている人の本はとても面白い。
ただ、F1の話"だけ"では無いので、作者の入社当時の話などもあります。
(あまり"F1"に期待しない方が良いです)
それはそれで面白いですよ。ちょっと時代が違ってしまっていますが、技術系の学生が読むと参考になると思います。
私が知らなかった、ブリジストンのレース活動(昔のミシュランとの争い等)を知る事が出来た事も良かったです。
F1参戦後の苦労等も分かり、満足でした。
個人的な好みの問題ですが、もっとミハイル・シューマッハの裏話を書いて欲しかったなぁ、と思います。でも色々問題があって書けないのかも知れません。
F1の裏舞台が身近になった
★★★★☆
ブリジストン入社時の『ひよっこエンジニア』が世界最速のF1タイヤのエンジニアへと成長を遂げる浜島氏の半生から、単なるTV観戦では味わえないF1の裏舞台が身近になりました。タイヤの構造・材質の技術的な進化、世界のタイヤ業界とF1の関わりの歴史はもちろん、『サイボーグ』といわれていたF1ドライバーのミハエル・シューマッハの人間味や並み外れた努力などの記述もあり、時の経つのも忘れてのめり込めました。また、『情熱を持って常にチャレンジ』する、『ぬるま湯につかると、そのままの状態で過ごしてしま』いがちな人間の心を戒めてチームをひっっぱる、という『世界最速のF1タイヤ』を作り上げた浜島氏のプロ姿勢は、人生を強く生きるための人生訓となりました。
F1に興味のある方もない方も、ぜひ一読することをお勧めします。
エンジニアが書いたタイヤ戦争のお話
★★★☆☆
タイヤメーカーのエンジニアが書いたタイヤメーカーのエンジニアリング力の本
タイヤメーカーのエンジニアの視線からみたF1の世界の紹介と
エンジニアとして何を考えなければならないかが書かれていた.
ブリジストンは飛行機のタイヤなど特殊タイヤの分野でも
高いシェアと収益率を保っているのでその秘密のヒントがこの本の中に
あるのではないかと思ったが少し的外れでした.
タイヤメーカーとしての日々の積み重ね,やらなければならないことを
しっかりやるなどエンジニアが忘れがちな内容が書かれていて言葉に
重みを感じる良い本でした.
F1とタイヤとブリヂストンの進化について
★★★★★
ブリヂストンのモータースポーツタイヤ開発室長である浜島氏がブリヂストンが
モータースポーツに関わるようになった経緯から、F1参戦、そしてシューマッハ達
との共同開発、更にはF1の経済学などの舞台裏までを様々に語っています。
浜島氏をはじめとするブリヂストン側の技術者とフェラーリなどのユーザー側との
技術開発に対する真剣な眼差しがひしひしと伝わってきます。
世界転戦と開発スケジュールの関係で年間休日が70日程度とさらっと言えてしまう
ところも凄いところです。
残念ながら本書では、一般的なモータースポーツに興味を持つ人を対象にしている
と考えられ、シーズン毎に進化を遂げているタイヤの内側について、技術的な話は
ほとんど触れられていないのですが、ワンメークとなっているF1の現在も、次なる
ライバルメーカーの参戦へ向け熾烈な開発争いが繰り広げられていることは容易に
想像できます。
一介の技術者としては、浜島氏の大学〜駆け出しのエンジニアとして成長していく
姿勢が真摯かつ前向きであり、非常に参考になりました。
非常にエキサイティングでエンジニア冥利に尽きる
★★★★★
ブリヂストンに入社した著者がF1のタイヤで世界を極めるまでのお話で,非常にエキサイティングです.F1などのレースにおいては,エンジンやチーム,ドライバーはいつも注目されるのですが,タイヤがこれほどレースの行方を左右するものとは知りませんでした.
また,F1で世界制覇をするまでにはいろいろとご苦労はあったのだと思いますが,その点はあまり前面には出さず,エンジニアとしての生き甲斐として語られています.会社の強力なバックアップがあって,フェラーリなどの世界一のチームと組んで,とことん究極のタイヤを追い求めるというのは,エンジニア冥利に尽き,とてもうらやましいく思いました.
F1では,各レースのために4日ほどサーキットで過ごすことになるようなのですが,その様子が詳細に示されています.「レースタイヤを作っている人たちはこんな仕事をしているんだ」とF1レースに対する興味が一層まします.
レースファンの方は必読でしょう.