スピーディーな展開
★★★★☆
2001年9月10日夜、英国で、ひとりの老女が殺され、
翌9月11日早朝、その屋敷からゴッホの自画像が運び出される。
莫大な価値を持つその絵の搬送先はニューヨーク。
そのニューヨーク、ツインタワーには、なにやら画策する絵の受取人の姿がある。
同時テロ事件がからんで、スピーディーな展開を見せるミステリー。
全体に簡潔な歯切れの良い英語で、場面展開も速く、
飽きることなく読み進めることができるのではないだろうか。
特に絵画に関心のある方にはお勧めだ。
カムバック作品
★★★★★
Archerが偽証罪で収監されて刑期を終えてからの本。
あの9/11から話は展開していきますが、美術に関心のある方ならば
印象派巨匠作品にまつわる話なので楽しめると思います。
NY,UK,Tokyo,Bucharestあちこち飛ぶので誰が今どこにいて
どこへ向かっているのか見失わないように!
登場する日本や日本人の描き方も悪くないです。
プロットはさほど難解ではないし、楽しく
ジェットコースターに乗って、あー終わっちゃった!
ってくらいに最後まで一気に読めちゃいました。
日本語版もありましたが訳は少々古臭いノリだったので(失礼。)
ウィットやジョークを楽しみたければ英語のままのほうがオススメです。
気軽に楽しめるお勧めの一冊
★★★★☆
絵画を使ったマネーロンダリングを題材としたエンターテイメント小説だが、題材も面白いし、出てくるヒロインも魅力的。ゴッホは欺くという邦題ででているが、英語も平易で読みやすいので、細かいところを気にしなければ気軽に楽しみつつ一気に読むことができますよ。英語学習としてもお勧めの一冊ですね。
絵画の価格
★★★☆☆
いかにもこの著者ならではの作品。オークション価最高位にランクされるヴァン・ゴッホの絵画をめぐる争奪戦。我々凡人読者にはかろうじて名前を聞いたことがあるくらいの、画家やその作品名がこれでもかとばかりにでてきて、己の芸術への素養の乏しさを思い知らされる。
いつもながら導入がうまい。また物語中に、彼の見識・ウィットを堪能できる小話が随所にあるところも相変わらず。ただ過去の長編に較べると、いまひとつ凄味というか、主人公が事を成し遂げる醍醐味の弱さは否めない。登場人物の目が皆、数十億円の絵画ばかりに向けられていて、サーガとしての現実感に欠けるからか?。アーチャー作品の中では、本書は後回しでよいでしょう。
全般的にごく標準的な米国英語で読み易い。著者が意識しているのかは分からないが、いわゆる仮定法表現が多い(気がする)ので、微妙なニュアンスは意外と読み取れていないかもしれない。