40年前に書かれたということもあり、内容の古さは否めない。読者になじみのない銘柄も多数登場する。だが、素人にありがちな失敗を繰り返しながら成長し、ついに自分なりの投資哲学や手法を確立する著者のストーリーは、投資の参考になるだけでなく、ドキュメンタリーとしても刺激的で、読みごたえがある。専門家の意見に翻弄される初心者の時代、成功してなお陥ってしまう落とし穴、大量の資金を運用する人間特有の悩み…。あらゆる投資家にとって、決して他人事では済まされない、重要な示唆が含まれている。そんな1冊だ。(土井英司)