この本は5章から成っており、1~3章は言語は日本語に絞り、「文字と音(1章)」、「ことばの単位(2章)」、「文の成り立ち(3章)」というトピックで書かれている。
3章までの内容は、筆者が前書きで書いているように、あくまで初めて言語学を学ぶ人のために非常に平易なものになっている。中学校の国語の授業で学んだ動詞の活用や、助詞の使い方や文法等を振り返り、言語学的な見地を少し加えて書かれている。
4章は全部で9つにも及ぶ世界の言語の簡単な紹介をしている。また5章では、いわゆる一般的な言語学入門書に書かれているような言語学の基礎的な用語や考え方がわずか30ページほどではあるがまとめられている。
言語学入門書の中でもかなり平易に書かれており、英語学についてはほとんどふれられていないので、物足りない読者もいるかもしれない。ただ、義務教育で習った日本語の文法を改めて客観的に勉強することができる本である。