ただ岩波書店らしく(?)”搾取”の立場から「格安のエビとバナナ」を捉えておりその意味では単純な楽しい食べ物ストーリーではありません。人によってはうんざり、げんなりする方もいてそれを承知でお子さまにお薦め下さい。
しかしこの漫画は値段が高すぎます。漫画とはいえ内容から(?)判断するに大人の購買者でも想定しているのでしょうか。この種の書こそたくさんの子供に読まれるように、使命感を持っていただき、たとえ儲けが少なくともバナナやエビではありませんが安価に提供して欲しいと思いました。
ネグロス島のさとうきび畑を行く車の俯瞰図、これは漫画の独壇場である。ぱっと見て、風景だけでなく、その地域の生産現場、人々の暮らしの様子までも見て取れる。外国に来たドキドキ感もいっしょに描かれている。小学校高学年から中学生のレベルで読んでも分かる本、大人が読んでももちろんいろいろと発見のある本である。少し高価だけどカラーが56Pもあれば仕方ないか…。