1969年マジソン・スクエア・ガーデンでのライヴを記録した本アルバムは、ミック・テイラー在籍時の唯一のオフィシャルのライヴ盤。60年代後半のストーンズは、<1>や<5>や<7>に象徴されるような、この後にも先にも感じられない独自の魔性の魅力があり、それはこのライヴ盤でもたっぷりと堪能することができるのだが、それはレスポールの響きのせいなのか、ミックの悪魔的な雰囲気のせいなのか。キースとミック・テイラーの対象的なギターも絶妙に絡み合い、最強のライヴ・バンドとしての実力を見せつける。（麻路 稔）