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Slaughterhouse-Five (Modern Library 100 Best Novels)

価格: ¥1,223
カテゴリ: マスマーケット
ブランド: Dell
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戦争がもたらすものとは・・・ ★★★★★
ビリー・ピルグリムという男が、トラファマドール星という星から来た宇宙人にさらわれ、時間旅行者になって時間軸とは関係なく時空を行き来しているさまが描かれていますが、ビリーは、何度も何度も夢を見ているように思われました。或は、作者自身がドレスデン爆撃を実際に体験しているからでしょうか、ビリー自身の様子から、たとえ戦争が終わってからであっても、まるで水面に時折ぶくぶくっと現れては消える泡のように、ふとした瞬間に戦時中の記憶が蘇ってきているのかもしれないと思いました。

ドレスデンの無差別爆撃については、そういうことがあって、歴史上途方もない被害であったという程度の知識しかなかったが(例えば、死者がどの位とか迄は知らなかった)、これを読むと実際にその地でそれを体験した人は、喩え生還してきても精神的にはどこか崩壊してしまうというか、それを体験する前の精神状態には決して戻れないのだなと思いました。
爆撃を受けたドレスデンの様子を月に喩えて、月に人は存在しない・・・というくだりは、ナンともいえない怖さがあって、その惨劇を写真でしか見たことがない私でも、広島長崎の原爆が落とされた後の廃墟を思い出してゾッとしたというか、人間の感情の許容量を超えた凄まじさを改めて思いました。
そのほか、色々な箇所でSo it goes.(そういうものだ)と出てきますが、この言葉を当てはめるしかない無常観が伝わりますね。
いずれにしても、この小説は現代の戦争という大きな渦に否応無く巻き込まれてしまう小さな存在の人間の人生を、凄いブラックユーモアをもって描いていて、こういう反戦の伝え方もあるんだな・・・と思いました。
とても、読み応えがある作品でしたし、また、この著者の別の物も読んでみたくなりました。
ヒューマニズムとヒューモア ★★★★★
 ソクラテスが死んだ時、弟子達は笑い転げたという。かつて、柄谷行人は本当に悲惨な時に浮かび上がる笑いについて、「ヒューモアについて」という文章で言及しているが、その「ヒューモア」をこの本で思い出した。

 ドレスデン爆撃が広島原爆の2倍以上の死者を生んだという事実を僕はこの本を読むまで知らなかったが、アメリカ人捕虜として爆撃される側の人間の思いを体験した作者の紡ぐこの物語は、主人公がおかしくなって時間旅行を始めたり、端々にブラックジョークが散りばめられていたり、という荒唐無稽な「ヒューモア」に溢れている。でも、戦争を目にした者にとって、それは「笑うしかない」という代物なのかもしれない。

 そのような極限のリアルなもの(=精神分析的な意味での)を描写しようとした時、普通の小説の構造は機能せず、逆にこのようなデタラメ話を描くことの方が実はリアルであるということなのだろう。この物語の読み心地は、SFとしてではなく、「ドン・キホーテ」「ガリバー旅行記」のような物語といった方が僕にはしっくりくるかな。

 最後の方のヒロイン(Montana Wildhack)との会話シーンの、寂しいような救いを求めるような感じが僕は好きです。英語も平易で、文章が細かい節に分かれているので英語に疲れても「読解」を区切りやすく、英語に自信が無くても原文に挑戦してみたい読者にオススメ。
オーディオブックもぜひ ★★★★★
ストーリー自体が持つ独特の雰囲気に、イーサン・ホークのささやくようなナレーションがとても合っているように思います。最後に著者自身のインタビューも入っています。
Just brilliant ★★★★★
I read Slaughterhouse-Five three times and enjoyed every part of it those moments that I occupied myself with the book. Vonnegut is an amazing writer, so creative, brilliant, clever and witty that some of his words are difficult to forget. This was the first book I read by Kurt Vonnegut, and it was recommended to me by a friend. While I was reading it the first time, I tried to understand why it had become so much of a talked about read. At the end of it, I understood. As someone who witnessed the Dresden bombing, the author portrayed his insight of war through the character of Billy Pilgrim, who was serving the US army during World War II a private. It is a fantastic anti-war book, or more a book with a sobering effect on war mongers. The overwhelming destruction of picturesque and artistic Dresden, by Allied bombers is at the centre of the book. The alien part of it was marvelous. This book is easy to understand, the setting is great and the pace is fast, confirmed by the fact that I lost my attention for a minute while reading the book until the last words. This is a book to recommend to any reader who accepts the realities of life.

Also recommended: DISCIPLES OF FORTUNE, ALL QUIET ON THE WESTERN FRONT,THE USURPER AND OTHER STORIES

何気に印象深い本。 ★★★★★
色んな小説や本と違って、語りが時間どうりに配列されてないという形なのですが、主人公のビリーのことを考えると”ああ、そういうわけで。”という風に何気に作者が凝っている文体をだしています。反戦争ものだそうですが、そんなに主張がつよい感じの本ではなくて、何気に戦争がもたらした死とか悲劇を淡泊に描写してます。そういうところに、背筋がぞくっとする。とにかく、バイオレンス系ではないので、女の方も安心してどうぞ。