90年代盛り上がったタバコ訴訟の基礎的な論点は全て網羅されている故に科学医学用語なんかも多用されますがグリシャム作品ですから読みやすい。映画「インサイダー」ばりの内部告発者も出てきたりして主人公陪審員の「活躍」ぶりもさることながら弁護側・原告側論証の組み立てがとっても面白かった。おすすめ。
喫煙による死はタバコおよびタバコ製造企業の責任であるとする原告と、被告とされたタバコ会社との死力を尽くした法廷での論争と、法廷外での虚々実々の駆け引き、陪審制度の詳しい紹介と実際を思わせる各陪審員の心理の展開、そして最後にあかされる大仕掛け、・・・
日本でも陪審制度・参審制度の導入が論議されているおり、格好の“参考書”にもなるのではないか。