イアン・フレミングのボンド・シリーズのエッセンスとは?
★★★★★
本作はフレミングのボンド・シリーズの第一作です。後の作品に比べると地味な印象ですが、ボンド・シリーズのエッセンスは全てそろっています。
1.マニアック(偏執狂的)な悪役:ボンドに対する拷問なんかほとんど病気です。
2.荒唐無稽なオペレーション:ソ連のスパイが党の金を使い込んじゃって、カジノで取り返そうという話も笑えるし、それをイギリスの情報部員が正々堂々とカード・ゲームで負かそうとするという話も笑えます。
3.スペクタクル・シーン:ここではカーチェイスぐらいですね。カード・ゲームのシーンはビジュアル・イメージとしては地味ですが、緊張感があります。
4.ガジェット(秘密兵器):ボンドはほとんど使いませんが、ル・シフルの車には仕掛けがあります。ボンドはこれでやられちゃいます。
5.エキゾチックなロケーション:フランスのカジノですが、我々日本人からすると充分エキゾチックです。
6.ボンド・ガール:これは欠かせませんね。本作のべスパー・リンドは女王陛下の007のトレーシーとならんで存在感があります。ボンドの心を動かしたのは全作通じてこの二人だけですね。
基本的にイアン・フレミングのボンドシリーズは上記6つのエッセンスの組み合わせで構成されています。
ちなみに、今回のカバーになっているクライブ・オーウェン主演の映画は意外に原作に忠実です。個人的には60年代のコロンビア映画のパロディー版カジノ・ロワイヤルも好きでしたけどね。
実質フレミングの原作の全ての映画化権を押えたイオン・プロがボンド映画を今後どのようなシリーズにしていくのか気になります。どうせなら原作順に再映画化というのはどうでしょう。
そういえば、サンダーボールの映画化権は未だケビン・マクローリーが持っているのでしょうか?イオン・プロにとっては完全に買い取っておいた方が安全ですね。
007
★★★☆☆
映画では新しいジェームズ・ボンドで話題をよんでいますが、この本で2007年の007を味わって下さい。字幕にはないスリルが味わえます。私はこのシリーズの中で一番おもしろいと思うのですが・・おすすめです。
カッコ悪さも魅力のうち?
★★★★☆
007映画最新作「カジノ・ロワイヤル」の原作。映画はこれまでになく原作に忠実で「人間・ジェームズ・ボンド」をクローズアップした作りになっているが、原作での彼は映画以上に人間味を感じさせる。
ル・シッフルにより重傷を負わされた後、善悪の定義と自分の職務の意義に迷い辞職を考えたり、心身の傷により、自分の男としての機能が働かなくなっているのではないかと怖れ、その反動でヴェスパーに冷たく当ってしまったり、ヴェスパーを真剣に愛するようになるものの、重大な秘密を抱えて苦悩する彼女の不審な様子に苛立ち、煩悶したり…ここにいるボンドは、紛れもない一人の「人間」である。「人間」としてときにはカッコ悪い姿をさらしながらも、最後に彼は闘うべき真の敵の存在を知り、冷酷非情なスパイとして再起する。
カジノでル・シッフルとの間で繰り広げられる、心理戦も交えた攻防の描写はスリリングであり、ボンドとヴェスパーのラブ・ストーリーは微笑ましくも痛々しい。特にラスト近く、ヴェスパーと最初で最後の愛を交わす場面は切なさに満ちている。
英語は比較的平易で、フランス語とカジノ用語が頻繁に出てくることを除けば読みやすい。映画を観る前に読んでも、読んでから観ても楽しめる作品である。
イアン・フレミングのボンド・シリーズのエッセンスとは?
★★★★★
本作はフレミングのボンド・シリーズの第一作です。後の作品に比べると地味な印象ですが、ボンド・シリーズのエッセンスは全てそろっています。
1.マニアック(偏執狂的)な悪役:ボンドに対する拷問なんかほとんど病気です。
2.荒唐無稽なオペレーション:ソ連のスパイが党の金を使い込んじゃって、カジノで取り返そうという話も笑えるし、それをイギリスの情報部員が正々堂々とカード・ゲームで負かそうとするという話も笑えます。
3.スペクタクル・シーン:ここではカーチェイスぐらいですね。カード・ゲームのシーンはビジュアル・イメージとしては地味ですが、緊張感があります。
4.ガジェット(秘密兵器):ボンドはほとんど使いませんが、ル・シフルの車には仕掛けがあります。ボンドはこれでやられちゃいます。
5.エキゾチックなロケーション:フランスのカジノですが、我々日本人からすると充分エキゾチックです。
6.ボンド・ガール:これは欠かせませんね。本作のべスパー・リンドは女王陛下の007のトレーシーとならんで存在感があります。ボンドの心を動かしたのは全作通じてこの二人だけですね。
基本的にイアン・フレミングのボンドシリーズは上記6つのエッセンスの組み合わせで構成されています。
ジェームス・ボンド誕生!
★★★★★
ジェームス・ボンド誕生と言っても、赤ちゃんが出てくるわけではありません。本作で初めてシークレット・エージェント、007、ジェームス・ボンドがフィクションの世界に登場します。最初は小説、次に新聞漫画、そして映画の世界へと20世紀後半にはフィクションの世界を席巻していました。当時は米ソの冷戦の真っ只中で、エスピオナージのネタが新聞をにぎわせていました。そんな中、ボンドは実在するのかもしれないということがまことしやかに囁かれ、それに関する本もたくさんありました。今考えると、フィクションから出たフィクションみたいなものでした。当時はそれはそれとして楽しめましたが。
これはシリーズ第一作ですが、全シリーズのエッセンスが詰まっています。