ロイス・ローリーの処女作です。派手さはないものの、いかにもローリーのデビュー作にふさわしい作品だと思います。
主人公はちょっと自意識過剰なコンプレックスを抱えた女の子。彼女の美しいお姉さんがある日突然白血病にかかります。 ローリーの作品に共通することですが、主人公の少年少女達はいつもこういった過酷な不条理に突然直面することになります。 大人たちもそれに対して、納得のいく回答を子供に与えることは出来ません。彼らに出来ることはただ“愛”を与え続けることだけー。 子供たちはその愛を糧に、人生の不条理に立ち向かっていくことになります。そしてその過程の中で、彼らは本当の自己を見いだしていくのです。“処女作に作家のすべてがある”という云われがありますが、ローリーの全作品を貫くテーマがやはり、ここには見られます。
児童向けとは思えない重い内容、タイトルの暗さにもかかわらず、30年近く出版され続けている名作。彼女の文章はとてもシンプルで読みやすいので、英語を勉強している方、是非チャレンジしてみてください。