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The Silent Boy (Readers Circle)

価格: ¥580
カテゴリ: マスマーケット
ブランド: Laurel Leaf
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   20世紀初頭のアメリカ、ペンシルベニア州に住む少女の目線から、町に住む人々の暮らしと人間模様を丹念に描いた作品。著者のロイス・ローリーは『ふたりの星』『ザ・ギバー 記憶を伝える者』で、2度のニューベリー賞受賞経験を持つ児童文学作家だ。本書は、ローリーが1枚の古い写真から着想を得て、生まれた物語である。当時の田舎町を生き生きとした描写でつづると同時に、少女が覗いた社会のしきたりや残酷さを包み隠さず明かしてみせる。

   町医者の娘である主人公ケイティは、あたたかい家族と友だちに恵まれた、利発な少女だ。妹の誕生、水車小屋での火事、父に連れられて垣間見たアサイラム(保護施設)と呼ばれる無気味な建物。そして精神に障害を持っているが、動物好きの心やさしい少年ジェイコブとの交流。さまざまな体験をしながらも、その日常は笑いの絶えない平穏なものであった。そんなときジェイコブが起こしたある事件は、ケイティや町の人たちに深い傷を残すことになる。

   ケイティを取り巻く社会は、不平と不条理に満ちている。たとえば、憧れていた隣家の恋人たちの生々しい情事や、メイドに聞かされた、農家では増えすぎた子猫を川に沈めにいくという話。初めて見聞きした大人の世界に、ケイティは戸惑いと不快感をおぼえる。一方、消えかかった子羊の命を必死で救おうとするジェイコブの存在は、大人たちが失ってしまった純粋さの象徴である。無垢な精神を持った少年を描くことにより、読者に向かって「正しいこと」とは何かを痛切に問いかけてくる。(砂塚洋美)

セピア色の自閉症 ★★★★☆
この話は、一昔前の少女文学と軽いサスペンスのノリを保ちながらも、今でいう自閉症の少年とその少年を理解できる父娘の心の交流、そしてその少年を取り巻く無理解な社会を描いているとも取れる。ほんの一世代前の日本でも事情は同じだった。

 この本を読むと、自閉症の人達がどう感じ、それに対してどう処したらよいのかが、この父娘より学ぶことが出来る。各小学校に1冊は置いていて欲しい本である。
 

心にしみる名作 ★★★★★
原書を思わせるノスタルジックな美しい装丁に思わず購入。内容も期待を裏切らないものだった。利発な少女ケイティは、小さい時から父親と同じ医者になりたいと夢見る。父親も幼い娘の好奇心を正面から受け止める。そんなケイティは、ある日ジェイコブという少年と出会うが、その家族、あるいは隣人との様々な交流をも含め、ケイティの無垢で率直な思いが実にユーモラスに語られている。それだけに思いがけないラストシーンは忘れがたい。心にしみる名作である。