他のシリーズも含めて、公務員試験対策なので内容は細かいところまで説明があって個人的には大学院入試で使いました。練習問題とその回答の書きかたを具体的に載せてくれているので、記述の練習にもなりました。基礎を固めるにはなかなかの本だと思います。

社会心理学はどうも系統だった理解が難しい(教科書の出版年によってカテゴリー分けも異なるし）と感じておりましたがこの本でだいぶ論点がすっきりわかりました。心理系公務員試験対策用とありますが院試でも卒論の基礎固めでも広くカバーできるものだと思います。他のシリーズでもいえるのですが、むしろ魅了してやまないのは前編の参考図書や勉強法の紹介と後半のぼやきとも怒りともとれる筆者のいわゆる「心理学初学者」に対する苦言でしょう。公の出版物でこうも言い切ってしまうのはいかがなものかと思いますが案外心のなかでうなずいている人は多いのではないでしょうか。

私の受験する大学院の試験に、社会心理学が含まれていたのでこの本を購入しました。公務員試験用との事でしたが、重要な理論や実験を確認したり、また記述の解答例などもあっていろいろ活用できました。何より、一般向けの本にも載っていないような、２～３行の書き込みに私はすごく驚かされました。お勧めできます。あと、個人的に最初のほうに書かれている「予備校でよく見かける重症例」については、面白く読ませて頂きました。その中での「重症例」に対する著者のコメントもなかなか痛烈で笑わせてくれます♪ぜひ、参考にしてみて！

公務員試験の勉強に特化した心理学の参考書、実利的で実用的な観点に徹していることに好感は持てる。公務員試験を知らない学者が集まって（たぶん試験ではそれほどの点は取れない）答案を並べた参考書や、あやしい解説が書かれた試験解説本が多いなかで、この本が心理職公務員受験生のスタンダードになるのはよくわかる。しかし、「覚悟なきものは去れ」とか一流大学卒業以外は国家１種はむりといった記述はどうもいただけない。確かに１流大学卒業の人は多いが、さまざまな大学の人や会社員をへた人が、心理職にもたくさんいるのは、著者もしっているはずである。また、おそらく、採用する側も、はちまきをつけて、公務員予備校に通っている人よりは、さまざまな経験を経て、人間に対する好奇心を持っている人をとりたいはずであり、そして（せっかく国家１種試験に受かったのに）退職してしまう人が多い中で、結局、退職しないで幹部になっていく人は、受験勉強に命をかけていた人よりも、勉強よりも人間に対するあくなき好奇心がある人であることも確かである。受験生は、そのような点も考え、この本の「１流大学～」の記述で落ち込むことなく、勉強に取り組んで欲しい。

　「問題を解いて、解説を読む」これを繰り返すだけでかなり理解力がつきました。もちろん社会心理学の重要な知識すべてをカバーしているわけではありませんが、必携だと思います。