名盤です
★★★★★
なんでも50年代から活躍しているらしいジャン・コルティですが、ソロ名義の作品は2001年の"Couka"が初めてで、このとき既に齢72歳。可愛らしいジャケット・デザインと「72歳のデビュー作」というのに敬意を表してデビュー作を買ったんですが、軽やかで美しいアコーディオンの音にすっかりはまってしまいました。
それから不謹慎ながら毎回「これが遺作か?」と思いながら聴き続けています。今回はわずか2年のインターバルで届けられた3作目。御大は80歳になったそうです。ジャケットのデザインが前2作品のような可愛らしいイラストでなくなり、またデジパックから通常のケースになったのが残念です。内容は、インストものが中心だった前2作品と異なり、ゲスト・ヴォーカルを迎えた歌ものが大半。歌伴をやってた人だから当然と言えばそうなんでしょうが、慣れたスタイルなんでしょう。ジャズ風のインストなどが無くなった分、この3作目が断然聴きやすいです。
アルバムは基本的にアコーディオンにウッド・ベースと生ギターを加えた編成で、歌がそれに乗ってて、時々マンドリンやらちょとした楽器が入る程度。一発録りらしいです。そんな録音だからしょうがないですが、歌にしても音楽にしてもミス・トーンが結構あります。こんな音楽は雰囲気一発で聴くもんでしょうし、細かいことを言うのは野暮なのかもしれませんが、それにしても・・・。「歌ものが多くて聴きやすい」と言った舌の根も乾かぬうちに言うのもアレですが、オーソドックスなミュゼットのスタイルでやってる10や15などのインストが結局一番気に入りました。
今回は日本盤のみのボーナス・トラックはなかったんですが、ジャケ記載の「ジャン・コルティの語るアコーディオン人生」の仏語和訳が読めるのはありがたいです。