78歳、セカンド・アルバム。
★★★★☆
1960年代にジャック・ブレルのサイドマンとして有名だったというジャン・コルティを知ったのは、2001年の「クーカ」がきっかけでした。可愛らしいアルバム・ジャケットのデザインと「72歳のデビュー作」というコピーに惹かれて衝動買いしたんですが、ラッキーなことに素晴らしい内容でした。軽快で余裕綽々の演奏を聴いてすっかり魅せられてしまい、当時しばらくはこればかり聴いていた記憶があります。
その後しばらく全く音沙汰なしで「もう死んだのかな?」と思っていた矢先にリリースされたのが2007年発表の2作目が本作品。発表時には既に齢78歳というミュージシャンですので、当然ながらデビュー作と大きな音楽的な変化はありません。ただ、前作品ではノスタルジックなミュゼット色の強い音楽が多く聴けたのに対し、今回はより多彩な音楽をやっているように思います。オーソドックスなミュゼット・スタイルの曲は少なめで、短調のタルめのバラードが多く、ジャズ色の強いものがあったり管楽器を迎えた曲があったりと、アルバム全体の印象もやや散漫な感じです(正直1作目のほうがよかったような・・・)。ただ、前作品が好きだった人には十分楽しめる内容と思います。
ファースト・アルバムはいつの間にやらプレミア価格・入手困難になっています。気になる人はこの作品も早いうちに買っておくほうがいいでしょうね。