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コクと旨味の秘密 (新潮新書)

価格: ¥714
カテゴリ: 新書
ブランド: 新潮社
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旨味至上主義に一石を投じよう。 ★★★★☆
現在関東の味付けは間違いなく旨味至上主義だ。
ナニを食べても旨味、旨味。
食材本来の味なんてものはほとんど存在しないと言っても良いと思っている。
旨味は現在5つ目の味として認識されているが、日本語のコクと言うのは定義がまだ存在しないだろう。
その中でこの本はコクを定義付けようと努力している。
旨味はタンパク質の存在を示す味と定義されているがコクに関しては複雑すぎるようだ。
簡単な定義はまだ無理なようだ。
本文も徐々にコクが「美味しい」の同義語として扱われるようになっている。
最終的に単純に「美味しい」と思うモノがコクになってしまっている。

と言った話は置いておいて単純に読み物として面白いと思う。
コクの階段の話などは解かりやすい。
ジャンクフードがなぜジャンクなのかなど味覚の点から考える事が出来る。
この一冊で何かがわかるという事はないかもしれないが、
「美味しい」「美味しさ」を研究している人には入門の一冊になるでしょう。
気楽に簡単に読めるので興味がある人はとりあえず買って読んだ方がいいです。
図書館で借りる本じゃないです。何かと身の回りにあると説明が簡単になります。
新しい学問は最高に面白い ★★★★★
 まだ、コク学というものが始まったばかりということもあって、本書でも情報は整理されていないが、情報そのものが面白いので、大許し。例えば、甘味はコクの中で重要な役割を果たしているというが、短時間ではあるものの、甘みをまったく感じられなくなることができるのだという。それはインドに自生するギムネマ・シルベスタという葉を噛むこと。これを噛むと、チョコレートは石けんの固まりに、おまんじゅうは砂の固まりに感じられるようになるというのだからすさまじい。人間はどこの民族でも血糖値は一緒だというが、甘味はこの血糖値を維持しエネルギー源となる。同じくエネルギーが最高に凝縮されているものとしては油がある。

 こうしたコクのある食べ物を摂取した時、脳は「空間的な広がり」と「時間的な広がり」を感じるという。このうち時間的に広がりについては、精糖された砂糖や精製された塩よりも、黒砂糖や天然塩の方が様々な成分を時間差で次々と感じられることによって説明されている。また、舌だけでなく、軟口蓋などでも味覚を感じるため、空間的な広がりという印象も得られるのではないか、という。

 なにせ、軟口蓋はペニスに先端と同じぐらいセロトニン産生細胞が存在しているという。つまり「口の中は、生殖器に匹敵するほど物理的な刺激に敏感な器官なのです」(p.43)と。ということで、アルデンテ状態のうどんやパスタが口の中で暴れる感じが好まれるのだ、と。それは快感だから。さらには、喉越しの食感なども三叉神経によって伝えられる。もう、すごいね。口の中は…。すごくエロいもんらしい。
「コク」とは…?  ★★★★☆
 料理の味を表現するものの1つ、「コク」。では、「コク」とは何か?と問われると、なかなかひとことでは説明できない。
 本書では、その「コク」について判りやすく、丁寧に噛み砕いて説明されている。観念的ではあるが、科学的に証明されているものはキチンと科学的に、よくわからないけれど、そうらしい、というものについては著者の独断と偏見にもとづき、きちんと峻別されて説明されているのも小気味良い。ようするに、「コク」については、まだよくわからないことが多いのダ。
 全体的に内容がわかりやすいだけに、もう少し専門的な内容を期待していた人も多いはず。私もそのひとり。だから★4つ。
おいしいは旨みではない ★★★★★
「旨味(うまみ)」なら、グルタミン酸やイノシン酸などで化学的に説明できる。
でも、「コク」のある食べ物、例えばラーメン・うどんのダシ、キムチ、鍋物、味噌汁、燻製・・・など、これらに共通するのは化学物質ではない。
「コク」は様々な食材の組み合わせの妙で生まれるのだ。
例えば舌で、口腔の上の方をグリグリするとくすぐったい感じをおぼえる。それも食感に影響しているかもしれない。そういった感覚も「コク」に影響しているかもしれないという。
本書はそんな風に科学的かつ感覚的に「コク」を解説した稀な本である。

面白かった。

コク学の誕生 ★★★★★
何気なく使っている「コク」とは何かが科学的、文化的両面から解剖されている。
この種の本は、小難しくなりがちだが、いろいろなウンチクが散りばめられているので最後まで飽きなかった。
牧場のミルクが美味しいのは気分のせいではなく科学的根拠があることに驚いた。
また、実験用マウスが人間よりもビールの味を区別できるという話も面白かった。
コク学という新しい学問が誕生したといってもいいと思う。