「旨味(うまみ)」なら、グルタミン酸やイノシン酸などで化学的に説明できる。
でも、「コク」のある食べ物、例えばラーメン・うどんのダシ、キムチ、鍋物、味噌汁、燻製・・・など、これらに共通するのは化学物質ではない。
「コク」は様々な食材の組み合わせの妙で生まれるのだ。
例えば舌で、口腔の上の方をグリグリするとくすぐったい感じをおぼえる。それも食感に影響しているかもしれない。そういった感覚も「コク」に影響しているかもしれないという。
本書はそんな風に科学的かつ感覚的に「コク」を解説した稀な本である。
面白かった。