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物理学はいかに創られたか(上) (岩波新書)

価格: ¥735
カテゴリ: 新書
ブランド: 岩波書店
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門外漢も感動する物理学の熱き思い ★★★★★
過日読んだ「非線形の世界」とは対極を成す誌面構成だった。数式を一切使わずに、一般性相対理論や量子論まで展開される物理学の世界がコンパクトにまとめられている。物理学の仕組みをやわらかくやさしく説明してくれる文章のはしばしに、物理学者のピュアな志や心の揺れ(失望と歓喜の混合)が表出していて、物理学者のみなさまを応援したくなる。一読して感じたことは、物理学上の諸現象は人間の体感(甚だしく極限だ)を超えたところで日々活動を行っているということ。だから非線形な世界のしくみを表現する際には抽象的(数式や観念的、哲学的思索)にならざるを得ないのだ。そんなことも知らない私でもすらすら読めた。宇宙創成の話やブラックホールの発見に関する本を読んでいると、アインシュタインの発見や量子論に関することが出てきて、後日みたび手にするだろう宇宙物理学本を読む際に、より楽しく読めるだろうと思って一般性相対理論や量子論のトピックは丹念に文章を追った。誰かにその理論を説明することは適わないかも知れないけれど、ささやかなイメージングなら獲得することができたように思う。私の両親が生まれる10年前に翻訳された本なのに、内容自体が時代を超越しているのか、筆者が念頭に置いた「わかりやすさ」は明確に伝わってきた。好奇心を充足させてくれる良書である。
物理が好きな人向け ★★★☆☆
題名通り、今の物理学がいかに創られたかが書かれている。
一般に、大学の講義では、すでに創造された物理学を学ぶ。
しかし、この本ではその「創造の経緯」が描かれている。
特になにか新しい発見があったとき、どのように発想の転換があったのか が丁寧に描写されている。
このような経緯に興味がある人にはたまらなく面白いだろう。
しかしこの本の特徴として数式を使わずに文章で説明しているのだが、それがかえってわかりにくい。
しかも思いきり理系の文章で書かれていて、はっきり言って読みにくい。
これは万人のための物理学の入門書ではない。
物理学に多大な興味を持ち、ある程度の知識がある人のための入門書であると思う。
観念の世界と現象の世界との関係 ★★★★★
あのアインシュタイン博士とインフェルト博士が、「人間の心が観念の世界と現象の世界との関係を見つけ出そうと企てたこと(世界の実在に対応するような観念を科学の名で案出してゆくところの原動力)」について述べたもの。上巻では古典物理学の概要、下巻では現代物理学(相対論、量子論)の概要が示されていた。物理を専門としていない自分にとっても、わかりやすい記述となっていた。「世界の実在に対応するような観念を科学の名で案出してゆくところの原動力」を「科学の上で大きな進歩の見られるのは、殆どいつも理論に対していろいろな困難が起り、危機が出遭った際にこれを脱却しようとする努力を通じてなされる」さまを見ることによって実感できたと思う。
物理学はいかに創られたか知る一冊! ★★★★☆
アルベルト・アインシュタイン…この名前を聞いたことのない人はいないであろう。アインシュタイン博士は、相対性理論を筆頭に物理学における数多くの理論を築いた天才である。そんなアインシュタイン博士が書いた本が本書である。
さて、“物理学はいかに創られたか”は上下巻に分かれており、本書は上巻である。上巻の内容は、ニュートンの方程式や万有引力の法則の発見から始まり、電気および磁気における物理現象を語り、最終的にマックスウェルの方程式で締めくくられる。下巻の内容は、相対性理論が生まれてきた歴史を振り返ることから始まり、量子論の初歩的な部分を解説して終わる。
本書の良いところは、単に物理法則を語るだけではなく、物理学の歴史を振り返りつつ、その当時起こった論争がどのように解決されてきたかということが記述されているところである。今日では当たり前と思われている法則が先人の知恵と努力により築かれたことを実感できるであろう。
…というように内容には満足なのだが、難点もある。その難点とは以下の3つである。
・ 訳が自然な日本語になっていない箇所が多々あること
・ 今では使わないような日本語表記が多々あること
・ 図を使えば簡単に解説できるようなことを延々と文字で解説していること
上記の難点より、物理を学んだことのない人が本書を読むというのは難しいと思う。とはいえ、本書が名著であることには変わりはない。本書の初版を見ると1939年10月30日となっている。1939年といえば、日米開戦の前である。これほどまでの長い月日を経てなお本書が読み続けられていることに驚きを感じずにはいられない。物理学を志すなら読むべき一冊である。それは、文学を志す者が古典の代表作である源氏物語などを読むのと同じようなものかもしれない。
ノーベル物理学賞・小柴昌俊氏が物理学に目覚める契機を与えた好著(上巻) ★★★★★
他のレビューで本書の素晴らしさが語れているので、別の話を。
小柴昌俊少年は小学校時代いたずらっ子でした。しかし、あだ名は「兎ちゃん」。本の読みすぎで目が充血していたからで、それ程の「読書の虫」でした。
中学に進んでまもなく、小柴少年は小児麻痺で長期入院します。そんな折、担任の先生が持ってきてくれた本が「物理学はいかに創られたか」でした。小柴少年は2日で読みきり「物理学っておもしろいんだなー」と感動したそうです。この時のこの感動が、小柴先生の研究人生に好影響を与えていたのでしょう。全ては感動から始まるのですね。
小柴少年が受けた感動を、貴方もこの本で追体験してみませんか?(^-^)

幸いなことに、この本の以前の版は旧字体だったのですが、最新版では新字体になっているので、読みやすくなっています。小柴少年がフォロー出来るくらい、数式も意外なほど出てこないので、文系な方も比較的取っ付きやすいと思います。詩的表現や哲学的内容に驚かれることと思いますょ。寺田寅彦先生の言うところである「研究者的態度」「科学魂」が学べます。「創られた物理学を学ぶだけでは試験勉強と同じ、新しい物理学を創るのとは違う」と主旨を仰った湯川秀樹先生の真意も良く分かります。